The 54th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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シンポジウム

シンポジウム14(III-S14)
使う?使わない?先天性心疾患に対する心保護薬

Sat. Jul 7, 2018 10:20 AM - 11:50 AM 第3会場 (302)

座長:増谷 聡(埼玉医科大学総合医療センター 小児循環器科)
座長:村上 智明(千葉県こども病院 循環器科)

[III-S14-03] 先天性心疾患患者に対する心保護薬の科学的根拠は?

増谷 聡 (埼玉医科医大学総合医療センター 小児循環器部門)

Keywords:先天性心疾患, β遮断薬, レニン・アンジオテンシン・アルドステロン系

世は科学的根拠に基づく医療(EBM)の時代である。先天性心疾患に対するβ遮断薬、レニン・アンジオテンシン・アルドステロン系(RAA)阻害薬使用等の心保護薬使用について、その使用を支持する質の高い科学的根拠はないことが知られている。そうした現状においても、どこまでの検討結果が得られているのか(best available evidence)を確認しておくことは、その使用について論じる前提になる。
先天性心疾患患者に対する心保護薬使用の多くは、成人の科学的根拠を参考に手探りで開始されてきたと考えられる。一般成人の慢性心不全で十分な心保護薬使用の十分な科学的根拠があるのは駆出率が低下した心不全のみで、駆出率が保たれた心不全では多くの臨床試験がpositive effectを示せずにいる。しかし、日本の先天性心疾患に対する心保護薬の使用範囲は広範で、駆出率が保たれていても、フォンタンであっても、施設・主治医の判断により相応の割合で使用されている。
本発表では、フラットな気持ちで、多彩な先天性心疾患患者に対する心保護薬のbest available evidenceを可能な限りまとめたい。