第54回日本小児循環器学会総会・学術集会

講演情報

一般口演(多領域専門職部門)

家族支援

一般口演(多領域専門職部門)05(III-TR05)
家族支援

2018年7月7日(土) 08:30 〜 09:00 第6会場 (411+412)

座長:笹川 みちる(国立循環器病研究センター 看護部)
座長:手塚 園江(自治医科大学 看護学部)

[III-TR05-04] 心臓手術を受ける患児の付き添い者の不安に対する看護師の介入について

大長 昴, 小野寺 舞, 桑島 萌 (旭川医科大学病院 看護部)

キーワード:心臓手術, 付き添い, 不安

〈背 景〉心臓手術はリスクの高い手術であり、付き添い者の精神状態への影響も大きいため看護介入が必要だと考えられるが可視化されにくい。〈目 的〉心臓手術を受ける患児の付き添い者の不安に対して実践している看護介入を明らかにする。〈方 法〉A病院小児科・思春期科病棟に在籍している看護師21名を対象に自作の無記名自記式の質問紙を用いて、アンケート調査を実施し、質的帰納的に分析した。本研究は当該施設の倫理審査委員会の承認を得て実施している。〈結 果〉自由記載に関する回答をカテゴリー化し、カテゴリーを【 】で示す。看護師が予測する付き添い者が不安に思う内容について【手術の脅威】と【術後に伴う変化】の2つのカテゴリー、 8個のサブカテゴリー、30個のコードが抽出された。実践している看護介入については【情報提供とインフォームド・コンセントの受け止めの確認】【情動支援】【安心感の強化】の3つカテゴリー、8個のサブカテゴリー、32個のコードが得られた。〈考 察・結 論〉看護師は付き添い者が何らかの不安を抱えていると予測し、看護介入を実践していることが明らかとなった。実践している看護介入の内容については経験年数により付き添い者に関わるタイミングは異なるものの、看護介入の差は生じていなかった。【情報提供とインフォームド・コンセントの受け止めの確認】について術前から患児の術後の状態について説明することは付き添い者が受ける衝撃を緩和することに繋がると考える。【安心感の強化】について、術後の患児に触れていいのか、おむつ交換や食事の介助などに不安を抱えている付き添い者と看護ケアを一緒に実施していくことは、付き添い者としての役割を回復出来ると考える。【情動支援】としては付き添い者の性格や家族・社会背景など情報収集・アセスメントを行った上でそれぞれのニーズに合った環境づくりや共感する姿勢が重要である。