第54回日本小児循環器学会総会・学術集会

講演情報

ポスターセッション

周産期・心疾患合併妊婦

ポスターセッション23(P23)
周産期・心疾患合併妊婦 2

2018年7月6日(金) 18:00 〜 19:00 ポスター会場 (311+312+313+315)

座長:上野 健太郎(鹿児島大学病院 小児診療センター)

[P23-06] 母体精神疾患合併と新生児先天性心疾患の関連性と問題点に関する検討

中江 広治, 塩川 直宏, 高橋 宜宏, 永留 祐佳, 森田 康子, 櫨木 大祐, 上野 健太郎 (鹿児島大学病院 小児診療センター)

キーワード:周産期, 精神, 心疾患

【背景】精神疾患を有する母体にとっては妊娠が契機となり、母体の病状変化をきたすことがある。また出産後も母体の継続的な治療のため、育児困難が懸念されることも少なくない。【目的】当院で周産期管理した新生児208例を対象に、母体精神疾患合併の有無、母体妊娠既往・経過、および対象新生児症例の在胎週数、出生時体重、Apgar Score値、合併症(呼吸障害、先天性心疾患)、入院日数、家族支援や社会支援について後方視的に検討した。【方法】2016年1月から12月までに当院で周産期管理した妊婦207名、新生児208名(双生児あり)を対象とした。Fisher解析、ロジスティック解析を用いて関連性の有無を検討した。P<0.05を統計学的に有意差ありと評価した。【結果】母体精神疾患合併(P群)は27例(13.0%)だった。母体精神疾患の有無と新生児の在胎週数、出生時体重、Apgar Score値、死産の有無、NICU入院の有無や呼吸障害の有無に有意差はなかった。先天性心疾患を合併した新生児(C群)は29例(13.9%)であり、うちP群例は3例であった。母体精神疾患の有無と新生児先天性心疾患合併に関連性は認めなかった(P=0.851)。またP群では有意に社会支援を要した(P<0.001)。【考案】今回の検討では、母体の精神疾患合併と出生児の先天性心疾患合併に関連性はなかった。母体精神疾患合併症例では先天性心疾患の有無に関わらず、社会支援を必要とする症例が多く、早期から児と家族への必要な支援や多職種の連携を図る必要がある。