第54回日本小児循環器学会総会・学術集会

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ポスターセッション

その他

ポスターセッション24(P24)
その他 1

2018年7月6日(金) 18:00 〜 19:00 ポスター会場 (311+312+313+315)

座長:木村 正人(東北大学医学部 小児科)

[P24-02] 心臓病とたたかう子供たちを夢のキャンプ地へ

松原 宗明1, 高橋 実穂2, 大塚 唯依3, 千葉 里子3, 加藤 愛章2, 堀米 仁志2, 野間 美緒1, 加藤 秀之1, 平松 祐司1 (1.筑波大学 心臓血管外科, 2.筑波大学 小児科, 3.筑波大学附属病院 看護部)

キーワード:心臓病, キッズキャンプ, ボランティア

【背景】昨今小児医療水準の向上により難病の子供達の多くが救命されるようになった一方で、病気や障害を抱えながら生活する医療依存度の高い子供達が年々増加している。特に生まれつき重症な心臓病患児は術後後遺症のために医療的ケアに頼らざるを得ないケースが少なくない。しかし医療ケア度の高い子供達や家族を支える社会的サービスや施設は未だ十分に整備されていない。【目的】重症な心臓病患児は幼少期から普通の子供達と同じように自分の病気や治療の事を気にせず外で遊ぶ機会が制限されることが多い。そんな子供達に医療ケア付きのキャンプ場を訪れてもらい、日常の緊張感から解放された大自然の空間で家族との大切な時間を過ごしてもらい家族にも休息やリフレッシュを得てもらうことを目的とした。【方法】難病と闘っている子供のために特別に配慮された医療ケア付きキャンプ場としてアジアで唯一のシリアスファン・チルドレンズネットワーク公認キャンプとして活動中の公益財団法人そらぷちキッズキャンプとの共催のもと、2017年夏に北海道にあるキッズキャンプ場へ重症心臓病児の5家族を国内初の試みとして無償で招待した。【結果】参加者は当院通院中で茨城県在住のフォンタン術後7~10歳の子供と両親・兄弟で、当院から医師・看護師ら12名の多職種チームがボランティアで同行した。キャンプ中に有害事象は無く、参加者からは難病と闘う家族だからこそ分かち合える交流や家族との一生の思い出が経験できたと万感をこめた声が聞かれた。【結論】専門医の支援のもと重症心臓病患児・家族に病気であることを忘れられる環境を提供しえた今回のキッズキャンプは小児循環器領域での新たな社会貢献活動と考えられ、今後一人でも多くの子供達に全国から同じ想いを経験してもらえるよう国内の医療関係者へ啓蒙活動を展開すると共に、より重症な患児・家族に対するレスパイトキャンプ等の開催準備も進めていきたい。