The 54th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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ポスターセッション

一般心臓病学

ポスターセッション30(P30)
一般心臓病学

Fri. Jul 6, 2018 6:00 PM - 7:00 PM ポスター会場 (311+312+313+315)

座長:平田 陽一郎(東京大学医学部附属病院 小児科)

[P30-03] 薬物治療を必要とした小児の本態性高血圧の1例

平田 拓也, 松田 浩一, 赤木 健太郎, 吉永 大介, 馬場 志郎, 西小森 隆太 (京都大学 医学部附属病院 小児科)

Keywords:本態性高血圧, 薬物治療, 小児

【はじめに】小児の高血圧は主に大動脈縮窄などに起因する二次性高血圧の頻度が高いが、本態性高血圧も小学生から中学生の0.1~1%に認めるとされている。しかし、そのほとんどは軽度上昇であり、薬物治療が必要になる本態性高血圧はきわめてまれである。今回我々は運動時の浮腫や頭痛、易疲労感をきっかけに高血圧を指摘された6歳女児の1例を経験したので報告する。【症例】症例は6歳女児。前医で耳鼻科入院時に高血圧を指摘されていたが、精査はされなかった。運動時の易疲労感、頭痛、浮腫を認め、血圧を測定したところ180/110mmHgであり、大動脈縮窄や腎動脈狭窄に伴う二次生高血圧を疑い、心エコー、頭部CT、腹部MRI、腹部エコーを施行するも異常を認めなかった。運動制限で経過観察し、浮腫は軽減するもその他の症状に改善を認めず、Caブロッカーの内服を開始した。血圧は180/110mmHgから120/90mmHgまで低下したが、症状は完全には消失しなかった。精査加療のため当院を紹介された。家族歴、既往歴に特記すべきことはない。身長126.5cm、体重29.9kgでローレル指数は147.3であった。乳房腫大を認め、思春期早発などの内分泌疾患に伴う高血圧を疑ったが血液検査で異常を認めなかった。胸部MRIを施行するもやはり大動脈縮窄等動脈の狭窄は無く、PET-CTでも褐色細胞腫や下垂体病変は認めなかった。運動負荷心筋シンチでは虚血所見を認めなかったが、BNPが29pg/mlと上昇しており症状も残存していたため、ARB内服を開始した。血圧は102/70mmHgまで低下し易疲労感、頭痛、浮腫はほぼ消失した。【考察・まとめ】小児の本態性高血圧の薬物治療の報告は少なく、報告があってもいずれも10歳以上か極度の肥満であり、本症例のような小学校低学年の治療を要する本態性高血圧の報告は無い。現段階では原因不明だが、内分泌疾患を疑う所見はあるため、注意深く経過観察していく予定である。