第54回日本小児循環器学会総会・学術集会

講演情報

ポスターセッション

川崎病・冠動脈・血管

ポスターセッション33(P33)
川崎病・冠動脈・血管 2

2018年7月6日(金) 18:00 〜 19:00 ポスター会場 (311+312+313+315)

座長:勝部 康弘(日本医科大学武蔵小杉病院 小児科)

[P33-01] 川崎病発症の季節変動と季節による臨床的所見の違いの検討

清水 大輔1, 宗内 淳2, 山口 賢一郎3, 神代 万壽美4, 楠原 浩一1 (1.産業医科大学 小児科, 2.九州病院 小児科, 3.小倉医療センター 小児科, 4.北九州総合病院 小児科)

キーワード:川崎病, 免疫グロブリン大量療法不応, 冠動脈瘤

【目的】川崎病発症者数は季節によって変動するが、免疫グロブリン大量療法(IVIG療法)不応例率や冠動脈病変(CAL)発症率の季節変動について検討されている論文報告はないため、我々は、これらについての後方視的な調査を行った。【対象と方法】川崎病の診療を行っている北九州市内の主要な医療機関に2010~2014年に同疾患で入院し、IVIG療法を施行された744人を対象とした。対象症例を、入院した月によって、月平均気温15℃を境界とした暖期・寒期の2群および春・夏・秋・冬の4群に分け、それぞれの群のIVIG前の白血球数・好中球の割合・血小板数・血清AST・Na・CRP値、治療開始病日、IVIG療法 不応例率、CAL発症率を比較した。それぞれの項目について単変量解析を行い、有意差の出た項目とIVIG療法不応例率およびCAL発症率について多変量解析を行った。【結果】単変量解析では、暖期・寒期の2群間の比較において、IVIG療法不応例率のみに有意差があり、暖期で高かった。また、春・夏・秋・冬の4群間の比較でも有意差はなかったが夏で高い傾向にあった。多変量解析において、暖期および夏が独立したIVIG不応因子であることが示された。【考察】北九州市における調査結果では、川崎病患者に占めるIVIG療法不応例率は、季節によって異なり、特に夏で高かった。川崎病発症に関与する因子は、治療反応性にも影響している可能性が示唆された。同様の調査が異なる地域でも行われ ることが望まれる。