第54回日本小児循環器学会総会・学術集会

講演情報

ポスターセッション

外科治療

ポスターセッション38(P38)
外科治療 4

2018年7月6日(金) 18:00 〜 19:00 ポスター会場 (311+312+313+315)

座長:小澤 司(東邦大学医療センター 大森病院循環器センター心臓血管外科)

[P38-03] Amplatzer Septal Occluder留置後半年で感染性心内膜炎を発症した一例

樽井 俊1, 宮原 義典1, 山口 英貴1, 寺田 拡仁2, 佐々木 赳1, 中川 博文2, 伊吹 圭二郎1, 藤井 隆成1, 奥山 浩2, 石野 幸三1, 富田 英1 (1.昭和大学病院 小児循環器・成人先天性心疾患センター, 2.昭和大学横浜市北部病院 循環器センター)

キーワード:Amplatzer Septal Occluder, 感染性心内膜炎, 僧房弁形成

【背景】心房中隔欠損症(ASD)に対するAmplatzer Septal Occluder (ASO)を用いた閉鎖術は広く普及しているが、デバイスによる感染性心内膜炎(IE)発症は稀である。【症例】21歳、男性。ASDに対してASO留置半年後、持続する発熱と四肢末端の疼痛を主訴に近医受診し、IEが疑われ当院へ救急搬送となった。心エコー上、ASOデバイスと僧房弁前尖に疣贅付着を認め、前尖穿孔による重度の僧房弁逆流も伴っていた。血液培養でMSSAが検出され、頭部MRIにて多発性脳塞栓を認めた。翌日準緊急的にASOデバイス及び疣贅の除去、僧房弁形成術、自己心膜によるASD閉鎖術を施行した。ASOデバイスは一部内膜化しておらず、金属部分が露出していた。切除した疣贅からもMSSAが検出された。術後経過は良好で5週間の抗生剤治療後に退院し、その後感染の再燃なく経過中である。【考察】背景にアトピー性皮膚炎があり、感染経路と考えられた。また、ASOデバイスの内膜化不良もIE発症との関連が疑われた。【結語】ASO留置後のIEに対してデバイス除去、僧房弁形成及び自己心膜によるASD閉鎖術を施行した。