[P38-06] Unifocalization:乳児期一期的complete repairを目指した治療戦略
キーワード:Unifocalization, PA flow study, PAVSD/MAPCAs
【背景】PAVSD,MAPCAsの治療は低い右室圧での心内修復術を目標とするが、その治療戦略には議論の余地がある。また、乳児期早期に治療介入を要する症例もある。【目的】unifocalizationの術式、および治療戦略について術中ビデオを供覧し報告する。【方法】生後5ヶ月、体重5kg を目安に中心肺動脈に有無によらずprimary unifocalizationを行い、術中flow study (送血量3.0 l/min/m2)によりmean PAP≦25mmHgで心内修復を行い、mean PAP>25 mmHgでは姑息的右室流出路再建を行っている。左気管支背側下行大動脈より分岐するMAPCA等の剥離が困難な場合があり、左後側方小切開開胸を先行し、起始部を剥離しておく。正中切開でoff pump下に全長を剥離し、統合するそれぞれの灌流区域に見合う肺門部の血管径を確保することが重要である。術後の肺血管は抵抗が不均一で、血流量が一定せず形態が変化するため、術後早期(6ヵ月以内)にカテーテル検査を行い、肺動脈の評価、maintenanceを積極的に行っている。2017年5月以降、6例(乳児期4例)に上記方針で介入を行った。全例でone stage unifocalizationを行い、flow studyでmPAP≦25mmHgであった4例でcomplete repairを行った。1例はmPAP=18mmHgであったが、止血に難渋し、二期的心内修復を行った。mPAP=34mmHgであった1例は、術後3ヵ月でカテーテル検査を行い、心内修復術を施行した。【結論】乳児期primary unifocalizationは技術的に可能であり、術中flow studyはcomplete repairの判断に有用である。術後早期からカテーテルによる肺動脈のmaintenanceを行うことが低い右室圧維持のために必須である。