第55回日本小児循環器学会総会・学術集会

講演情報

一般口演

一般心臓病学

一般口演13(I-OR13)
一般心臓病学

2019年6月27日(木) 08:40 〜 09:30 第7会場 (204)

座長:小島 拓朗(埼玉医科大学国際医療センター 小児心臓科)
座長:桃井 伸緒(福島県立医科大学 小児科学講座)

[I-OR13-05] 機能的単心室TCPC手術・術後のFontan routeに対して修正・介入を行った症例の検討

福嶋 遥佑1, 大月 審一1, 馬場 健児1, 近藤 麻衣子1, 栄徳 隆裕1, 今井 祐喜1, 重光 祐輔1, 平井 健太1, 原 真祐子1, 笠原 真悟2, 岩崎 達雄3 (1.岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 小児医科学, 2.岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 心臓血管外科, 3.岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 麻酔科)

キーワード:フォンタン型手術, 機能的単心室, 先天性心疾患

【背景】Fontan型手術前後の合併症として肺動静脈瘻形成(PAVF)の回避が問題となる。【方法】2009年1月から2018年12月の間に当院で施行したFontan症例のうち、TCPC施行時・施行後にFontan routeを調整した症例について診療録をもとに後方視的に検討した。【結果】対象期間内にTCPCを210例に施行した。全例Extracardiac TCPCを施行した。同期間でPAVFを発症したのは8症例で、TCPC前の発症が4例、TCPC後の発症が4例だった。Fontan routeに介入した症例は6例で、Polysplenia / SV 3例、HLHS 3例。Fontan routeに介入した症例は6例で、介入理由(1)はBDGの状態が長くTCPC前にAVFができた2症例にY-Graftを用いた。介入理由(2)はAzygos veinとIVC血流の競合が原因で、TCPC後conduit excagne, main PAstent留置を2症例に施行した。介入理由(3)は肺動脈が上・下に段ちがいとなり、TCPC後IVCからの血流が上肺動脈に流れないことが原因で、 肺動脈形成術を1例に、肺動脈にstent留置を1例に施行した。【まとめ】TCPC後PAVFを生じる可能性を常に念頭に置き, Glenn血流との競合など血行動態上の問題から肺内に肝血流が到達しにくくなることを念頭にデザインし、肝血流の左右均衡化に留意する必要があると考えられた。