第55回日本小児循環器学会総会・学術集会

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ポスターセッション9(I-P09)
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2019年6月27日(木) 17:40 〜 18:40 ポスター会場 (大ホールB)

座長:兒玉 祥彦(福岡市立こども病院 循環器科)

[I-P09-01] 心臓MRI Phase Contrast法を用いたASD径の計測

大山 伸雄1, 藤井 隆成1, 上村 茂2, 長岡 孝太1, 田中 里沙1, 山口 英貴1, 清水 武1, 樽井 俊1, 籏 義仁1, 宮原 義典1, 富田 英1 (1.昭和大学病院 小児循環器・成人先天性心疾患センター, 2.湘南東部総合病院 循環器科)

キーワード:Cardiac Magnetic Resonance, Atrial Septal Defects, Transcatheter Device Closure

【背景・目的】当センターでは2006年頃より心臓MRI(CMR)を用いたASDの評価を行なってきた.ASDは経食道超音波(TEE)による評価がゴールドスタンダードであるが,CMRがBalloon sizing (BaS)の予測に役立つのであれば,デバイス選択の精度向上に寄与する可能性がある.CMRの計測値をTEEやBaSと比較した.【方法】CMRとTEEが同時期に施行されているASD30例で, Cine MRI(Cin)とPhase Contrast法(PC)より欠損孔の最大径,最小径を計測し,TEEの計測値と比較した.経皮的心房中隔欠損症閉鎖術施行した症例ではカテーテル時のBaSの計測値とCMRで計測した欠損孔の最大径と最小径の平均径と比較した.統計には相関係数,Bland Altman分析を用いた.【結果】1.計測値;最大径と最小径はPCで18.9mm(6.5)(mean(SD)),13.5mm(5),Cinで16mm(5),12.2mm(5),TEEで16.8 mm (6.0) ,12.7mm(5.7)であり,BaSでは17.9mm(5)であった.2.計測値の相関;最大径はCinとTEE,BaS,PCとTEE,BaSで比較し,それぞれr=0.83,0.83,0.87,0.93 (p<.0001),最小径はCinとTEE,PCとTEEで比較し,それぞれr=0.81,0.84 (p<.0001)の相関を認めた.3.平均値の差;最大径,最小径の差の平均はPCとTEEの比較ではでそれぞれ-2.1mm,-1.2mmで,CinとTEEの比較ではそれぞれ0.7mm,-0.1mmであった.最大径と最小径の平均径とBaS差の平均はTEEでは3.5mmであったのに対し,PCでは0.6mmと0に近接しており,95%信頼区域は-0.3~1.5mmと0を含んでいた.【考察】CMRによるASD径についてTEE,BaSと比較検討した.PCを用いて計測した最大径と最小径の平均径はBaSに近似していた.楕円形のASDはBaSでstretchされ正円に近づくことでPCの平均値に近似したものと考えられた.PC法による最大径と最小径からBaSが予測できる可能性が示唆された.