第55回日本小児循環器学会総会・学術集会

講演情報

ポスターセッション

カテーテル治療

ポスターセッション17(I-P17)
カテーテル治療 2

2019年6月27日(木) 17:40 〜 18:40 ポスター会場 (大ホールB)

座長:中川 直美(広島市立広島市民病院 循環器小児科)

[I-P17-01] 左心低形成症候群術後で左肺動脈狭窄に対してステント留置を施行した3例

森谷 友造1, 宮田 豊寿1, 赤澤 祐介1,3, 渡部 竜助1, 千阪 俊行1, 太田 雅明1, 高田 秀実1, 檜垣 高史1, 鎌田 真弓2, 太田 教隆2, 打田 俊司2 (1.愛媛大学医学部 小児科, 2.愛媛大学医学部 心臓血管外科, 3.愛媛大学医学部 循環器内科)

キーワード:左心低形成症候群, 肺動脈狭窄, ステント

【背景】左心低形成症候群は両側肺動脈絞扼術を経てNorwood手術を行うことは、高肺血流性心不全をコントロールするために一般的な治療戦略である。術後の合併症としては、肺動脈絞扼術やNorwood手術により大動脈に挟まれる解剖学的形態から引き起こされる肺動脈狭窄が注意すべき点である。肺動脈狭窄はその後のグレン、フォンタン循環において、中心静脈圧の上昇や側副血行の発生に影響し大変不利益を来すため回避すべき血行動態である。このたび左心低形成術後で左肺動脈狭窄を来し、ステント留置を施行し良好な結果を得た3例を報告する。【対象・方法】症例1は5歳TCPC術後でNorwood術後より左肺動脈狭窄を指摘され、3歳と4歳時に経皮的肺動脈形成術(PTPA)施行された。TCPCは3歳6か月で施行された。4歳8か月にステント留置を施行。再狭窄部2.7mmに対して、Assurant cobalt 6mm×20mmを選択し留置した。症例2は、6歳グレン術後で、症例1と同様に左肺動脈を指摘されていた。生後7か月で両方向性グレン手術を施行。1歳2か月と5歳2か月時にPTPAが施行された。5歳7か月にステント留置を施行。再狭窄部4.2mに対して、Assurant cobalt 8mm×20mmを選択し留置した。症例3は、13歳TCPC術後で3歳8か月時にTCPCが施行された。13歳時にウイルス性胃腸炎を契機に蛋白漏出性胃腸症を発症した。心臓カテーテル検査にてCVP=11mmHgであった。血行動態の改善目的に左肺動脈狭窄: 再狭窄部4.0mに対して、Assurant cobalt 8mm×20mmを選択し留置した。【考察・結語】近年Low profileで施行可能なステントが使用可能となり、体格の小さな小児対しても使用しやすい状況となってきた。今回使用したAssurant cobalt stentは適合シースは6Frでかつ後拡張で12mmまで拡張可能である。体格の小柄な成人であれば、通用可能と考え今回留置を行った。施行後、いずれも血行動態の改善を得ており、本症例に対しては非常に有効な治療法と考えられた。