第55回日本小児循環器学会総会・学術集会

講演情報

ポスターセッション

電気生理学・不整脈

ポスターセッション20(I-P20)
電気生理学・不整脈 3

2019年6月27日(木) 17:40 〜 18:40 ポスター会場 (大ホールB)

座長:鈴木 嗣敏(大阪市立総合医療センター 小児不整脈科)

[I-P20-05] 18歳以下に植え込み型除細動器治療を施行した症例の検討

吉田 修一朗1, 佐藤 純1, 吉井 公浩1, 森本 美仁1, 加藤 温子1, 西川 浩1, 大橋 直樹1, 櫻井 寛久2, 野中 利通2, 櫻井 一2 (1.中京病院中京こどもハートセンター 小児循環器科, 2.中京病院中京こどもハートセンター 心臓血管外科)

キーワード:ICD, 小児, 適正作動

【背景】小児に対する植え込み型除細動器(ICD)の植え込み数は少ない。血管閉塞、成長に伴う合併症や長期にわたるフォローアップ等を考慮してICDの適応を慎重に判断する必要がある。また乳幼児期の場合は、成人と異なり開胸下での外科的アプローチが必要である。【目的】18歳以下にICD植え込みを行った症例を調べ、当院における適応の妥当性、植え込み後の状況について検討を行った。【方法】18歳以下でICDを植え込んだ9例(経静脈7例、開胸下心外膜2例)について、基礎疾患、ICD適応のclass分類、植え込み時の年齢、植え込み後のショック作動状況、頻拍治療としてのカテーテルアブレーション(ABL)や薬物療法の有無、合併症について検討した。【結果】9例の基礎疾患は、特発性心室細動2例、QT延長症候群2例、ファロー四徴症術後、拡張型心筋症、心筋炎後、カテコラミン誘発性多形心室頻拍、Brugada症候群が各1例であった.ICD適応は、class 1 8例、分類不能1例であった。ICD施行時年齢は13.9(2.3-17.9)歳 フォローアップは6.3(1.8-10.4)年、ショック回数は適切作動5例、心房頻拍による不適切作動が1例であった。ABLは9例中2例で施行。一方頻拍発作予防としての薬物療法は8例で併用されていた。フォローアップ期間中、リード断線、感染等の治療を要する合併症は認めなかった。【考察】 class 1の症例では半数以上でICDの適切作動を認め、適応は妥当であったと判断した。幼児2症例では外科的に心外膜にコイルリードを留置し、うち1例は植え込み6年後に適正作動を認めICDは有効であった。【結語】幼児期・小児期であっても、適応症例では積極的にICDを植え込むことにより生命予後の改善が期待できる。