[I-S02-03] 修正大血管転位における房室結節リエントリー頻拍のカテーテルアブレーション
Keywords:カテーテルアブレーション, 房室結節リエントリー頻拍, 修正大血管転位
背景:修正大血管転位(ccTGA)症例では房室結節の位置や冠静脈洞の解剖学的異常があり、房室結節リエントリー頻拍(AVNRT)を合併した症例のアブレーション治療は難治である。目的: ccTGAに合併したAVNRTに対しカテーテルアブレーション(CA)を行った8例を検討した。年齢は5~36歳、SLL 5例、IDD 3例で、未手術が2例、ダブルスイッチ3例、Fontan(APC) 1例、VSD閉鎖1例、Glenn術後1例である。 対象症例、結果:5例(PLSVC 2例)は冠静脈洞(CS)を僧帽弁輪後方に認め、3例ではCSが右房に開口していなかった。通常型AVNRTは3例、非通常型AVNRTは2例、通常型と非通常型 AVNRTの合併を2例に認めた。His束電位は1例のみ僧帽弁輪後方に記録されたが、7例は僧帽弁輪前方に記録された。高周波CA 4例、クライオCA 3例、両方の使用が1例であった。非通常型 3例(CS欠損1例)は頻拍中の最早期心房波を指標にCAを施行し、His束電位記録部位から離れた位置でCAに成功した。通常型非通常型合併例2症例はいずれも通常型AVNRTが易誘発性でありCS開口部のslow pathway potential(SPP)を指標にCAを行い成功した。通常型AVNRT 3例(CS欠損2例、PLSVC 1例)はHis束電位記録部位から離れた中隔のSPP様電位記録部位にCAを行ったが無効であった。このためHis束電位記録部位近傍までCAを試みたがAH時間の延長のため断念した。成功率は5/8 (62%)、不成功例はすべて通常型AVNRT症例であった。結論:ccTGAにおいて遅伝導路の逆伝導心房側マッピングが出来ない通常型AVNRTのCAは困難であった。