第55回日本小児循環器学会総会・学術集会

講演情報

一般口演

学校保健

一般口演19(II-OR19)
学校保健

2019年6月28日(金) 16:50 〜 17:50 第4会場 (中ホールA)

座長:泉田 直己(曙町クリニック)
座長:畑崎 喜芳(富山県立中央病院 小児科)

[II-OR19-03] ウェアラブルデバイスを用いた持続的心拍数のモニタリングと運動指導のアドヒアランス向上の試み

浦島 崇1,2, 馬場 俊輔2, 飯島 正紀2, 藤田 吾郎3, 柳原 聡子2 (1.総合母子保健センター愛育病院 小児科, 2.東京慈恵会医科大学 小児科, 3.東京慈恵会医科大学 リハビリテーション科)

キーワード:ウェアラブルデバイス, 不登校, 運動療法

【背景】センサー技術の向上によりウェアラブルデバイスによって容易に心拍の持続モニタリングを行うことが出来るようになった。運動療法は自律神経の安定化によって不登校児の生活リズムの改善に有用であるが、その客観的な効果の指標には24時間ホルター心電図での評価が必要であり簡便性に問題があった。【目的】不登校・引きこもりが背景にある患者に対して基礎体力測定・CPXによる心肺機能評価を行い、それに準じた運動指導を行った。一日活動量と経時的な心拍数の評価にウェアラブルデバイス(fitbit alta HR)を使用した。また子ども用身体活動セルフエフィカシー尺度(SEPA)で達成度の客観的評価を行った。【方法】慈恵医大・印西総合病院を不定愁訴で受診し不登校・引きこもりの背景がある患者で運動指導を希望した20名(男性12名、女性8名)を対象とした。中央値12歳11か月であった。運動療法開始前と開始後4-18ヶ月にウェアラブルデバイスを各3日貸与し活動量と心拍数を測定した。運動療法は院内でPTの監視下でトレッドミル、縄跳びなどの有酸素運動を1-3回/週で行った。【結果】自己理由での中断は2名であった。18名中9名は開始半年以内に復学・復職することができた。運動療法前後で平均起床時間は2時間5分早まり、安静時心拍数は22%低下した。ウェアラブルデバイスにより自分の活動量・睡眠状態・心拍数をPC・スマホで確認することができSEPAは有意に上昇しモチベーションの維持に有用であった。【結論】定期的な運動指導によって睡眠障害は改善し自律神経機能の改善を得られた。ウェアラブルデバイスは運動指導のアドヒアランスの向上に有用であった。