第55回日本小児循環器学会総会・学術集会

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ポスターセッション42(II-P42)
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2019年6月28日(金) 17:30 〜 18:30 ポスター会場 (大ホールB)

座長:麻生 健太郎(聖マリアンナ医科大学 小児科)

[II-P42-03] 2D位相差コントラスト法と4D flowとの互換性の検討

真田 和哉, 佐藤 慶介, 石垣 瑞彦, 芳本 潤, 満下 紀恵, 金 成海, 新居 正基, 田中 靖彦 (静岡県立こども病院 循環器科)

キーワード:4D flow, 位相差コントラスト法, 心臓MRI

【背景】位相差コントラスト法(PC法)を用いた任意血管断面を通過する血流測定(2D-PC)は,その妥当性から肺体血流比の測定などに広く応用されるようになった。4D flowはこれを3軸方向に複数断面撮像することにより,血流の3次元的な解析を可能にした。しかしながら,2D-PCと4D flowとの互換性についての検討は小児においては少ない。【目的】2D-PCと4D flowとの互換性の有無,体格や年齢による互換性の変化について検討すること。【方法】2018年5-11月に2D-PC法と4D flowを同時に撮像した10例(Fontan型術後7例、二心室3例)を対象とした。年齢は中央値11.9歳(2.1-20.1歳)で、評価した血管は82か所[vena cava(VC) 20, Ao 20, PA 16, PV 24,その他2]だった。MRI機器はIngenia 1.5T(Phillips)を使用し、血流解析はcmr42(Circle Cardiovascular Imaging Inc)で行なった。2D-PCで計測した血流量をTと4D flowで計測した血流量をFとし両値の相関および誤差について検討し、体格、血行動態、撮像条件、撮像血管、血流量が誤差に与える影響について重回帰分析を行なった。【結果】2D-PC法で解析を行なった血管のうち、4D flowで血流解析を行えた血管は75か所(91.4%)だった。TとFは強い相関関係を認めた(r=0.94)が、血流量はそれぞれ平均T;22.9±16.2ml, F;18.8±14.5ml(p<0.05)とFの方が過小評価であり、相対誤差は平均36.4±35.3%だった。誤差と体表面積、血行動態、Venc、血流量には関連は認めなかったが、撮像する血管の影響が最も大きく、特にPV、PAでは誤差が大きかった(VC 19.3±17.5%, Ao 19.3±15.5%, PA 46.1±30.1%, PV 57.5±46.8%, p<0.05)。【結論】4D flowで解析を行なった血流量は2D-PCと強い相関を認めるが4D flowの方が過小評価し、小児における4D flowを用いた解析結果の解釈には注意が必要であり血流解析に適切な撮像条件設定については今後の検討課題である。