[II-P47-01] 繰り返す呼吸器症状から肺高血圧が疑われた心内修復術後遠隔期の成人Down症候群の2例
キーワード:ダウン症候群, 術後遠隔期, 肺高血圧
【背景と目的】
Down症候群(DS)は肺高血圧(PH)悪化因子であることは知られているが、心内修復術後の成人DSにおける遠隔期PHに関する検討は少ない。今回気道感染時にチアノーゼと呼吸状態の悪化を認める心内修復術後の成人DS 2例に心臓カテーテル検査を実施した。いずれも平時にはPHの存在は指摘できていなかったが心臓カテーテル検査でPHと診断された。2例とも肺高血圧治療薬の導入によって呼吸症状の改善を認めたため報告する。
【症例】
1)20歳DSの男性。1歳で心室中隔欠損症閉鎖術を施行。術後PHに対して約1年間HOTを受けた。学童期より運動時の息切れや顔色不良があり夜間HOTを再開したが、呼吸器感染時に喘鳴やチアノーゼを認めていた。平時にはPHの所見はなかったが、症状からPHを疑い25歳で心臓カテーテル検査を行ったところ平均肺動脈圧(mPAP)=29mmHgでありPHと診断した。PDE(ホスホジエステラーゼ)5阻害薬を開始して、その後は呼吸器感染時の症状が改善した。
2)25歳DSの男性。West症候群の合併あり。生後7ヶ月で房室中隔欠損症根治術を施行。術後PHに数年間HOTを導入した。その後PHの所見はなかったが繰り返し呼吸器感染で入院加療を受けていた。25歳で重症肺炎となり集中治療を受けた時に心エコーでPHの所見を認めた。人工呼吸管理下で心臓カテーテル検査を行い、mPAP=27mmHgでPHと診断した。PDE5阻害薬を開始して、喉頭気管分離術も行い退院した。その後は呼吸器感染で入院することが減少した。
【考察とまとめ】
術後遠隔期の成人DSで呼吸器感染を繰り返して喘息や慢性気管支炎と診断されている中にPHが隠れている可能性がある。そのような症例では平時にPHの存在が疑われなくても心臓カテーテル検査を行い、PHを認めれば肺高血圧治療薬を導入することで症状の軽減を得ることができる。
Down症候群(DS)は肺高血圧(PH)悪化因子であることは知られているが、心内修復術後の成人DSにおける遠隔期PHに関する検討は少ない。今回気道感染時にチアノーゼと呼吸状態の悪化を認める心内修復術後の成人DS 2例に心臓カテーテル検査を実施した。いずれも平時にはPHの存在は指摘できていなかったが心臓カテーテル検査でPHと診断された。2例とも肺高血圧治療薬の導入によって呼吸症状の改善を認めたため報告する。
【症例】
1)20歳DSの男性。1歳で心室中隔欠損症閉鎖術を施行。術後PHに対して約1年間HOTを受けた。学童期より運動時の息切れや顔色不良があり夜間HOTを再開したが、呼吸器感染時に喘鳴やチアノーゼを認めていた。平時にはPHの所見はなかったが、症状からPHを疑い25歳で心臓カテーテル検査を行ったところ平均肺動脈圧(mPAP)=29mmHgでありPHと診断した。PDE(ホスホジエステラーゼ)5阻害薬を開始して、その後は呼吸器感染時の症状が改善した。
2)25歳DSの男性。West症候群の合併あり。生後7ヶ月で房室中隔欠損症根治術を施行。術後PHに数年間HOTを導入した。その後PHの所見はなかったが繰り返し呼吸器感染で入院加療を受けていた。25歳で重症肺炎となり集中治療を受けた時に心エコーでPHの所見を認めた。人工呼吸管理下で心臓カテーテル検査を行い、mPAP=27mmHgでPHと診断した。PDE5阻害薬を開始して、喉頭気管分離術も行い退院した。その後は呼吸器感染で入院することが減少した。
【考察とまとめ】
術後遠隔期の成人DSで呼吸器感染を繰り返して喘息や慢性気管支炎と診断されている中にPHが隠れている可能性がある。そのような症例では平時にPHの存在が疑われなくても心臓カテーテル検査を行い、PHを認めれば肺高血圧治療薬を導入することで症状の軽減を得ることができる。