第55回日本小児循環器学会総会・学術集会

講演情報

ポスターセッション

染色体異常・遺伝子異常

ポスターセッション47(II-P47)
染色体異常・遺伝子異常 3

2019年6月28日(金) 17:30 〜 18:30 ポスター会場 (大ホールB)

座長:前田 潤(東京都立小児総合医療センター 循環器科)

[II-P47-05] 大動脈縮窄症を合併した13トリソミーモザイクの一例

森 琢磨1, 飯島 正紀1, 森田 紀代造2, 宇野 吉雅2, 篠原 玄2, 野村 耕司3, 安藤 達也1 (1.東京慈恵会医科大学 小児科学講座, 2.東京慈恵会医科大学 心臓外科, 3.埼玉県立小児医療センター 心臓血管外科)

キーワード:13トリソミーモザイク, 大動脈縮窄症, 大動脈弓再建術

【背景】13トリソミーモザイクは非常に稀な染色体異常である(13トリソミー症候群の5%程度の頻度とされる)。症例報告は散見されるが、大動脈縮窄症を合併したという過去の報告はない。今回、我々は大動脈縮窄症を合併した13トリソミーモザイクの一例を経験し、大動脈弓再建術を施行したので報告する。【症例】前医にて在胎36週0日、2100g、Apgar score 8/9点、帝王切開で出生し、出生後の心臓超音波検査にて大動脈縮窄症が疑われ、当院へ紹介入院となった。当院にて大動脈縮窄症、心房中隔欠損、左上大静脈遺残と診断した。また、特異的顔貌より13トリソミー症候群を疑い、日齢0に染色体検査(G分染法)を実施し、日齢7に13トリソミーモザイク(47,XX,+13[2/50]/46,XX[48/50])と診断した。日齢10に大動脈弓再建術/動脈管結紮術を施行したが、再建部狭窄を認め、日齢52に大動脈弓再々建術を施行した。術後経過は良好であり、日齢116に退院とした。術後5ヵ月時に施行した心臓カテーテル検査では、再建部圧較差 1mmHgと良好な経過であった。【考察】Griffithらは、13トリソミーモザイクの73.9%(17例/23例)に先天性心疾患(PDA、ASD、VSD、TOF)を合併すると報告している。Griffithらの報告を含め、大動脈縮窄症を合併した症例報告はなく、治療成績も不明であった。しかし、年長児の症例報告も散見されることから、生命予後が不良ではないと判断し、大動脈弓再建術を施行したが良好な経過を得た。【結語】過去に報告例のない、13トリソミーモザイクに大動脈縮窄症を合併した非常に稀有な一例を経験した。