第55回日本小児循環器学会総会・学術集会

講演情報

ポスターセッション

成人先天性心疾患

ポスターセッション55(II-P55)
成人先天性心疾患 3

2019年6月28日(金) 17:30 〜 18:30 ポスター会場 (大ホールB)

座長:檜垣 高史(愛媛大学大学院医学系研究科 地域小児・周産期学講座)

[II-P55-01] 人事採用担当者が認識する先天性心疾患患者の雇用可能性と合理的配慮

落合 亮太1, 猪又 竜2, 榎本 淳子3, 城戸 貴史4, 西 朋子5, 西村 幸6, 林 三枝7, 水野 芳子8, 檜垣 高史9 (1.横浜市立大学医学部 看護学科, 2.患者本人, 3.東洋大学 文学部, 4.静岡県立こども病院, 5.ラ・ファミリエ, 6.日本訪問看護財団, 7.ハートリンクワーキングプロジェクト, 8.東京情報大学 看護学部, 9.愛媛大学大学院 地域小児・周産期学講座)

キーワード:障害者雇用, 雇用可能性, 合理的配慮

【目的】企業の人事採用担当者が認識する先天性心疾患患者の雇用可能性と合理的配慮を明らかにすること。【方法】本研究はWeb上の自記式質問紙を用いた横断研究である。モニター会社登録者のうち、従業員50名以上の企業の人事・教育部門に所属する3354名を対象とした。質問紙では、小児期発症疾患患者の雇用経験、架空の先天性心疾患患者1事例(利尿剤内服、長時間勤務困難、障害者手帳3級)の雇用可能性と雇用にあたり知りたいこと・心配なこと等を尋ねた。【結果】1113名(33%)から回答を得た。うち、小児期発症疾患患者の雇用経験は「一般枠で雇用経験あり」97名(8%)、「障害者枠で雇用経験あり」160名(14%)であった。先天性心疾患の認知度は、「よく知っている」206名(19%)、「名前だけ」635名(57%)、「知らない」272名(24%)であった。事例の雇用可能性(複数回答)は、多かった順に「非正規社員(障害者枠)」331名(30%)、「雇用は難しい」316名(28%)、「短時間労働者(障害者枠)」302名(27%)、「正規社員(障害者枠)」300名(27%)、「正規社員(一般枠)」234名(21%)であった。雇用にあたり知りたいこと(複数回答)は、「どのような配慮が必要か」806名(72%)、「労働意欲があるか」572名(51%)、「パソコンや語学などのスキルがあるか」440名(40%)、「突然の欠勤や長期休業の可能性があるか」438名(49%)、心配なこと(複数回答)は、「適当な仕事があるか」741名(67%)、「勤務時間を配慮できるか」486名(44%)、「勤務場所を配慮できるか」462名(42%)であった。【結論】障害者手帳取得・利用を検討すること、可能な業務・通勤方法等を具体的に企業に伝え、インターンなども活用して企業・患者間のマッチングを促すことの必要性が示唆された。