[II-TRO02-04] A病院における先天性心疾患術後の患児・家族に対する手術室看護師が行う術後訪問の意義
Keywords:先天性心疾患, 術後訪問, 成長発達
【背景】A病院における先天性心疾患術後の患児・家族に対する術後訪問率は現在28%であり、訪問時期や回数も様々である。【目的】術後訪問形態と内容について明らかにし、術後訪問の意義を見出す。【対象と方法】2016年11月から2018年12月に手術(姑息術、根治術、段階的手術)を受け術後訪問が行われた63例(0歳から15歳未満)。訪問記録から時期、場所、回数、内容を抽出し後方視的に振り返る。倫理的配慮はA病院看護部倫理審査委員会の承認を得た。【結果】訪問時期は手術当日が6例、翌日が2例、2日目以降が55例であり、平均6日後であった。訪問場所はPICUが26例、病棟が36例、外来が1例であった。訪問回数は1回が61例、2回が1例、3回が1例であった。訪問内容は、時期にかかわらず皮膚損傷、神経障害について看護計画の評価がされていた。手術当日、家族から「手術は予定通りであったか」「予測が立たなくて不安」といった声が聞かれ、手術翌日、患児より「ずっと見ていてくれた?」といった言葉が聞かれた。病棟転棟後、家族から「抱っこで連れて行ってくれて安心した」「少しずつ不安なことを乗り越えられている」といった言葉が聞かれた。【考察】PICU入室初期の母親は罪悪感を抱く一方で、手術に耐えたこどもの頑張りを感じるといわれている。手術室看護師だからこそ伝えられる麻酔導入までの患児の状況を、手術当日から翌日に訪問し、家族と共有することで患児の頑張りを讃えられ、家族の心理的支援に繋がると考える。また、患児に対しても、ずっと側に寄り添っていた手術室看護師が覚醒後に訪問することによって、間接的に手術を乗り越えたと感じることができると考える。病棟転棟後に再度訪問することにより、看護計画の評価だけでなく手術に対する患児・家族の思いを引き出せると考える。回復過程に沿った複数回の訪問により、手術を振り返り、乗り越えた経験が患児の今後の成長発達に繋がると思われる。