[II-YB02-01] 低換気負荷試験による肺血管vaso-reactivityの検討
キーワード:肺高血圧, 低換気負荷試験, 肺血管
【はじめに】過去に重度の肺高血圧(PH)の既往があった症例や軽度のPHと判断している症例の中に、気道感染などのイベントを契機に呼吸不全となり、肺高血圧が増悪する症例に遭遇することがある。これらの症例は強いvaso-reactivityの肺血管を有していると考えられ、臨床経過には注意を要する。今回心臓カテーテル検査において、低換気負荷試験にて高二酸化炭素血症を誘発しvaso-reactivityを検討した。
【対象と方法】対象は2017年~2018年の間、気道感染時にPHが増悪した既往がある8例に心臓カテーテル検査を行った。全例全身麻酔とし、室内気での血行動態評価の後、低換気負荷試験を施行。低換気負荷試験は呼吸回数を減少させ、PaCO2を50mmHg程度上昇するように調整した。
【結果】年齢は生後3ヶ月~2歳(中央値:1歳5ヵ月)、基礎疾患は7例(21トリソミー:6例、GPIアンカー病:1例)であった。低換気前の平均肺動脈圧(mPAP):15-28mmHg(中央値:23mmHg)、肺血管抵抗(Rp):2.0-4.1U(中央値:2.8U)、Pp/Ps:0.38-0.63(中央値0.46)であった。低換気時の二酸化炭素値は:42-55(中央値49mmHg)、低換気後全例でmPAPは増悪した。負荷後mPAP:22-51mmHg(中央値:37mmHg)、肺血管抵抗(Rp):4.2.0-12U(中央値:5.6U)、Pp/Ps:0.34-1.0(中央値0.74)であった。合併症に関しては、2例に低血圧を認めた。
【考察】今回の検討でmPAPが10mmHg以上上昇したのは全例が21トリソミーであり、安定していると考えられてもその肺血管の特性には注意を要すると考えられた。
【結論】21トリソミーはvaso-reactivityが高く、低換気負荷試験を行うことで、その程度を予測できる可能性がある。
【対象と方法】対象は2017年~2018年の間、気道感染時にPHが増悪した既往がある8例に心臓カテーテル検査を行った。全例全身麻酔とし、室内気での血行動態評価の後、低換気負荷試験を施行。低換気負荷試験は呼吸回数を減少させ、PaCO2を50mmHg程度上昇するように調整した。
【結果】年齢は生後3ヶ月~2歳(中央値:1歳5ヵ月)、基礎疾患は7例(21トリソミー:6例、GPIアンカー病:1例)であった。低換気前の平均肺動脈圧(mPAP):15-28mmHg(中央値:23mmHg)、肺血管抵抗(Rp):2.0-4.1U(中央値:2.8U)、Pp/Ps:0.38-0.63(中央値0.46)であった。低換気時の二酸化炭素値は:42-55(中央値49mmHg)、低換気後全例でmPAPは増悪した。負荷後mPAP:22-51mmHg(中央値:37mmHg)、肺血管抵抗(Rp):4.2.0-12U(中央値:5.6U)、Pp/Ps:0.34-1.0(中央値0.74)であった。合併症に関しては、2例に低血圧を認めた。
【考察】今回の検討でmPAPが10mmHg以上上昇したのは全例が21トリソミーであり、安定していると考えられてもその肺血管の特性には注意を要すると考えられた。
【結論】21トリソミーはvaso-reactivityが高く、低換気負荷試験を行うことで、その程度を予測できる可能性がある。