第55回日本小児循環器学会総会・学術集会

講演情報

ミニシンポジウム

ミニシンポジウム2(III-MS02)
「先天性心疾患の成人への移行に関する提言」後の現状と課題:専門医制度、移行医療支援など

2019年6月29日(土) 13:00 〜 14:00 第3会場 (大ホールC)

座長:三谷 義英(三重大学病院 小児科)

[III-MS02-01] 提言(2019年改定)の概要と全国調査(2019年)から見た循環器内科研修施設の現状と課題

三谷 義英 (三重大学大学院医学系研究科 小児科学)

キーワード:congenital heart disease, transition, adult congenital heart disease

小児保健体制を含む診断と内科的、外科的治療の進歩により先天性心疾患(CHD)の生命予後が格段に改善した。CHDは人口の約1%、日本で年間12,000人発症し、その内95%が成人に達するとされる。2016年現在、成人CHD(ACHD)患者数は50万人と推計され、虚血性心疾患通院成人患者数の約半数を占め、年間約1万人ずつ増加している。修復術後例も含めて、CHDの続発症、成人期合併症の対策の為には、生涯に渡る医療的管理が重要と考えられる。2017年12月に、ACHD診療に関わる日本小児循環器学会、日本循環器学会を含む関連8学会により「先天性心疾患の成人への移行医療に関する提言」が発表された。2019年1-2月に日本循環器学会による循環器研修(関連)施設のACHD診療実態調査が実施され、2019年4月からACHD暫定専門医が認定された。同時にそれらを踏まえて、提言の第2版が発表された。
ACHD専門医制度では、ACHD暫定専門医170名が認定され、内訳は内科系133名(循環器内科46名、小児循環器70名、両者17名)、外科系37名であった。ACHD専門医修練施設79施設(2019年4月1日現在)が認定され、内訳は総合修練施設40施設、連携修練施設39施設であり、地域的な均てん化も図られた。ACHD診療実態調査は、全国の日本循環器学会研修(関連)施設1287施設を対象に実施された。外来受け入れ率は、全施設で単純疾患85%、複雑疾患29%、大学病院で単純疾患92%、複雑疾患67%であった。入院受け入れ率は、全施設で単純疾患81%、複雑疾患25%、大学病院で単純疾患92%、複雑疾患67%であった。個々に実態を反映するコメントが得られた。
現在、循環器対策基本法に関連した循環器系学会連合による協力体制の構築、ACHD診療の普及啓発に向けた地方会の取り組み、移行医療支援センターの具体像の検討、orphanとなっている成人期川崎病への取り組みも含めて報告する。