[III-P93-03] Osler病の母とCharcot-Marie-Tooth病の父から出生し先天性肺低形成のため生後急速に呼吸循環不全が進行した1例
Keywords:肺低形成, 肺硝子症, 胎児水腫
父:Charcot-Marie-Tooth病、母:Osler病・鉄欠乏性貧血、29歳、初産。経過:自然妊娠。Hb7.7と貧血の指摘あり、家族歴からOsler病合併妊娠を疑われ妊娠14週より当院で周産期管理となった。妊娠23週に胎児心エコーでTCD=26.9mmと心拡大があり心嚢水貯留を認めたが、大血管・心構造は正常で心収縮不良や弁逆流は認めず、母体貧血による影響と推定し経過観察となった。妊娠26週に皮下浮腫の出現、心嚢水増加を認め管理入院。母体輸血を施行。心タンポナーデ所見は認めないが、妊娠28週5日に胸腹水の出現と心嚢水増加を認めたため、妊娠29週0日に準緊急で帝王切開での娩出。出生体重1159g、Apgar score 5/5点(心拍2 筋緊張1 呼吸1 刺激に対する反応1)で出生。第一啼泣あったが無呼吸となり、気管内挿管とサーファクタント投与でFiO2 1.0に対し上肢SpO2 70%の状態でNICU入室。レントゲンでは、妊娠27週時点の胎児MRIで認めていなかった肺低形成の所見あり、NO、HFOでの管理、サーファクタント追加投与で一時的に酸素化・循環は改善したが、肺容量低下が進行し、ミルリノン、シルデナフィルを追加して肺高血圧治療を行うも改善乏しく生後24時間で死亡した。肺低形成の原因として神経筋疾患を考慮したが遺伝子検査で有意所見なく、剖検では肺重量9g(30週相当で35g)と重度の肺低形成であったが、血管やリンパ管の構造異常は認めず、びまん性に硝子膜を認めた。肺低形成は出生前の画像検査で評価困難であり、生後間もなくRDS、肺高血圧を生じた。ECMOなど体外循環も考慮されたが、週数・肺機能の改善が見込まれなかったことから現実的では無いと判断した。