The 56th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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デジタルオーラル

一般心臓病学

デジタルオーラル(I)01(OR01)
一般心臓病学

指定討論者:麻生 健太郎(聖マリアンナ医科大学 小児科)
指定討論者:小野 博(国立成育医療研究センター 循環器科)

[OR01-3] 胸痛を主訴に小児循環器外来を受診した患児への循環器超音波検査実施の適正性に関する検討

仲本 雄一1, 山田 俊介1, 小山田 遵2, 岡崎 三枝子3, 豊野 学朋1 (1.秋田大学 医学部 小児科, 2.大曲厚生医療センター 小児科, 3.秋田大学医学部附属病院 総合臨床教育研修センター)

Keywords:適応, 胸痛, 循環器超音波検査

【背景】小児の胸痛診断において循環器超音波検査 (echo) は高い頻度で実施されるが、所見が得られることは少ない。米国においては2014年に小児におけるecho適正実施基準ガイドラインが定められ、胸痛に対するecho基準も存在する。本ガイドラインは適応をappropriate (A), maybe A (MA), rarely A (RA) に分類している。【目的】小児胸痛例において米国ガイドラインでRAとされる例のecho実施頻度と診断結果を検討する。【方法】2015-9年に当院及び連携4施設の小児循環器外来を胸痛を主訴として受診した18歳以下の患者を対象とした。当該例を対象にecho実施基準の適正性を米国ガイドラインに準じて分類した。【結果】54例が対象となり、年齢は中央値11歳(範囲4-17)で女児が52%を占めた。54例のecho実施基準はAが56% (30/54), MAが13% (7/54), RAが31% (17/54) であった。Echoは46% (25/54) に実施され、Aで70% (21/30), MAで14% (1/7), RAで18% (3/17) であった。Echoを実施された25例中、器質的疾患が12%(動脈管開存、心房中隔欠損:各1例)、軽度の左心系弁逆流が4% (1/25) に認めら、いずれもA群であった。Echoを実施された全例で胸痛の原因となる疾患を認めなかった。Echoを実施されたRA群3例は全て正常所見であった。全54例中、胸痛の原因が観察期間内に新たに同定された例や主要心血管事象を生じた例はなかった。【結論】小児循環器外来を胸痛を主訴として受診した小児患者で、RAと分類された18%でechoが実施され、いずれも陽性所見は認められなかった。RAの基準は本邦においても使用可能であることが示唆された。