[OR04-5] 3弁付きePTFE導管を用いた右室流出路再建術の遠隔成績についての検討
Keywords:右室流出路再建 , 心外導管, expanded polytetrafluoroethylene (ePTFE) conduit
【背景】2002年より京都府立医科大学で製作されているbulging sinusを有する3弁付きePTFE導管(以下ePTFE 導管)は長期の良好な弁可動性と優れた血流特性が示されており、右室流出路再建で最もよく用いられている心外導管である。【方法】2005年9月から2018年9月の間に当院でePTFE導管による右室流出路再建術を施行した34症例(38手術)について遠隔成績を調査した。【結果】原疾患はTOF/DORV/VSD+PA 15例、TOF/DORV/VSD+PS 6例、PTA 3例、PA/IVS 2例、その他のチアノーゼ心疾患 5例、ASR 3例(Ross手術)。手術時年齢は13日~49歳(中央値:6歳)、導管径は8 mm;4例、10 mm;2例、12 mm;1例、14 mm;5例、16 mm;2例、18 mm;9例、20 mm;2例、22 mm;5例、24 mm;8例。姑息術4例(導管径いずれも8 mm)を除くと導管狭窄に対する再介入は1例(手術時年齢1歳1か月、導管径16 mm、術後11年)のみで導管弁逆流に対する再介入はなかった。1年以上フォローされた根治術30例(平均観察期間 6年4か月)において導管径18 mm以下と20 mm以上(各15例)の導管流速はそれぞれ2.90±1.1 m/s、1.92±0.62 m/s(P<0.01)であった。エコー評価時の導管径・体表面積による%of normal値は流速3 m/s未満の軽度狭窄21症例で96.1±11.0%、流速3 m/s以上の高度狭窄9例で86.6±10.6%(P<0.05)であった。中等度以上の導管弁逆流がみられたのは4例(導管径14 mm, 18 mm;各2例)であった。【まとめ】ePTFE導管に対する再介入は発育に伴う相対的導管狭窄例のみであった。特に導管径20 mm以上の症例では極めて良好な成績を示した。