[P04-5] 当院における内臓錯位症候群の中長期経過
Keywords:内臓錯位症候群, 無脾症候群, 多脾症候群
【背景】内臓錯位症候群Heteroは複雑心奇形だけでなく、不整脈や様々な合併疾患を来たし、予後も不良である。今回我々は当院におけるHetero患者の中長期の経過を報告する。
【方法】2006年11月から2020年2月までに当院で新生児時期からフォローされているHetero患者をカルテを後方視的に検討し心構造異常、治療経過、不整脈の有無、その他の合併疾患を考察した。
【結果】Hetero39例(無脾症候群:Asp 25/多脾症候群:Poly 14)。フォローアップ期間は15.0年±4.1年(平均±SD)。単心室症例32例(24/8)、右室型(20/5)、左室型(4/3)、二心室症例7例(1/6)であった。肺静脈還流異常TAPVRを合併例はI型 4/0例、II型 6/2例、III型 5/0例、IV型 1/0例であり、肺静脈狭窄PVOは7例に認めた。房室弁逆流が重度であり、Glenn前に弁形成を必要としたのは3例(2/1)であり、1例は弁置換を行った。心合併症以外はAspでてんかんが2例、気管狭窄を2例で合併、Polyでてんかん1例、口蓋裂1例、脳腫瘍を1例認めた。二心室を目指せた症例は7例(1/6)で全例生存しているが、単心室症例は11例 34%(9例 38%/2例 25%)が死亡した。Fontan到達は16例 50%(11例 46%/5例 63%)で6例 19%(4/2)が待機中である。不整脈は12例(9/3)に認め、上室性頻拍10例(8/2)、洞不全1例(0/1)、房室ブロック1例(1/0)であった。
【考察】一般にAspでPVOを伴った症例の予後は不良であり、当院でも死亡率は高く、Fontan到達できていない。近年は生直後に静脈管ステントを挿入し早期外科介入を回避しているが、まだ予後改善にはいたっていない。しかし、最近5年に限れば死亡症例は1/11例(ワクチン接種後の突然死したAsp)のみであった。
【結語】Heteroの中でもAspはFontan症例が多い。PVOや重度房室弁逆流症例のFontan到達率はまだまだ低いが、症例毎に慎重に治療計画を練っていくことが大切である。
【方法】2006年11月から2020年2月までに当院で新生児時期からフォローされているHetero患者をカルテを後方視的に検討し心構造異常、治療経過、不整脈の有無、その他の合併疾患を考察した。
【結果】Hetero39例(無脾症候群:Asp 25/多脾症候群:Poly 14)。フォローアップ期間は15.0年±4.1年(平均±SD)。単心室症例32例(24/8)、右室型(20/5)、左室型(4/3)、二心室症例7例(1/6)であった。肺静脈還流異常TAPVRを合併例はI型 4/0例、II型 6/2例、III型 5/0例、IV型 1/0例であり、肺静脈狭窄PVOは7例に認めた。房室弁逆流が重度であり、Glenn前に弁形成を必要としたのは3例(2/1)であり、1例は弁置換を行った。心合併症以外はAspでてんかんが2例、気管狭窄を2例で合併、Polyでてんかん1例、口蓋裂1例、脳腫瘍を1例認めた。二心室を目指せた症例は7例(1/6)で全例生存しているが、単心室症例は11例 34%(9例 38%/2例 25%)が死亡した。Fontan到達は16例 50%(11例 46%/5例 63%)で6例 19%(4/2)が待機中である。不整脈は12例(9/3)に認め、上室性頻拍10例(8/2)、洞不全1例(0/1)、房室ブロック1例(1/0)であった。
【考察】一般にAspでPVOを伴った症例の予後は不良であり、当院でも死亡率は高く、Fontan到達できていない。近年は生直後に静脈管ステントを挿入し早期外科介入を回避しているが、まだ予後改善にはいたっていない。しかし、最近5年に限れば死亡症例は1/11例(ワクチン接種後の突然死したAsp)のみであった。
【結語】Heteroの中でもAspはFontan症例が多い。PVOや重度房室弁逆流症例のFontan到達率はまだまだ低いが、症例毎に慎重に治療計画を練っていくことが大切である。