[P19-1] 小児での心臓用半導体SPECT装置(D-SPECT)と従来アンガー型SPECT装置による99mTc心筋血流SPECTの左室容量の心血管造影との比較検討
Keywords:半導体SPECT, D-SPECT, 左室容量
【背景】2010年11月より半導体検出器を採用した心臓用SPECT装置が国内で販売となった。半導体SPECTは従来のアンガー型検出器に比べ短時間かつ高感度での測定が可能となっている。一方で小児での使用報告は現時点では少ない現状がある。【目的】小児における半導体SPECT(D-SPECT)での99mTc心筋血流SPECTの検査における左室容積評価の妥当性を評価する。【対象・方法】当院で2018年8月から2020年1月までに99mTc心筋血流SPECTを実施し、かつ検査1年以内に心血管造影検査を行った2心室循環の15歳以下の症例。アンガー型(Bright View X)、D-SPECTでのLVEDV, LVESV, LVEFを心血管造影検査でのLVEDV, LVESV, LVEFと比較した。半導体型、アンガー型ともに解析はQGSを用いた。【結果】対象症例:13症例(川崎病9例、冠動静脈瘻3例、左冠動脈肺動脈起始1例)、平均年齢:9±2歳、SPECT検査時体重:29.2±9.2kg。撮像時間は同量核種投与にて半導体型の方が有意に短かった。心血管造影(C)EDVに対する半導体型(D)の回帰式はC=0.71D+0.11(R2=0.86, p<0.001), アンガー型(A)はC=0.56A(R2=0.76, p<0.001)+12.20, ESVはC=0.45D-3.47(R2=0.68, p<0.001), C=0.54A+0.14(R2=0.67, p<0.001), EFはC=0.16D+74.17(R2=0.01, p=0.7), C=0.09A+67.04(R2=0.01, p=0.9)であった。【結論】半導体型はアンガー型と共に小児のLVEDV測定において良好な相関を得た。一方でアンガー型ではsmall heartのESVを過小評価しやすいとの既存の報告があるが、半導体型も同様の結果となった。半導体SPECTはアンガー型に比べ同量核種であれば短時間で撮影できる利点もあり、症例の蓄積により正確に評価可能な体格などのカットオフの算出が望まれる。