The 56th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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デジタルオーラル

カテーテル治療

デジタルオーラル(II)22(P22)
カテーテル治療2

指定討論者:須田 憲治(久留米大学医学部 小児科学講座)

[P22-3] 12 mm TMP PEDバルーンカテーテルを用いた経皮的肺動脈弁形成術

岡田 清吾1,2, 宗内 淳1, 渡邉 まみ江1, 杉谷 雄一郎1, 松岡 良平1, 大西 佑治2, 古田 貴士2, 鈴木 康夫2, 長谷川 俊史2, 高橋 保彦1 (1.九州病院 小児科, 2.山口大学大学院医学系研究科医学専攻 小児科学講座)

Keywords:肺動脈弁狭窄症, 乳児, カテーテルインターベンション

【背景】TMP PEDは12mm径バルーンが4Frシースおよび適合ワイヤー0.018”で使用できることが特徴で,弁輪径10mm程度の症例におけるシングルバルーン法に適している.【対象および方法】弁輪径10mm前後の先天性肺動脈弁狭窄(vPS)に対する12mm TMP PEDを用いた経皮的肺動脈弁バルーン形成術(BVP)の有効性を検討した.コントロール群は弁輪径10mm前後のvPSに対し,他のバルーンカテーテルを用いてシングルバルーン法によるBVPを実施した症例とした.過去20年間の臨床データを後方視的に解析した.【結果】BVPを実施した全406例のうち,解析可能な対象症例はTMP PED使用群5例,コントロール群13例(Tyshak[JMS]7例,Sterling OTW[Boston Scientific]5例,Tyshak II 1例)であった.全18例の臨床データは,BVP実施時年齢3(0―8)か月,体重6.7(3.7―8.3)kg,肺動脈弁輪径8.7(8.0―11.0)mm,肺動脈弁圧較差(PS-PG)55(31―104)mmHg,右室圧/体血圧比0.72(0.48―1.23)だった.患者背景において両群間に差はなかった.使用したバルーンサイズ(TMP PED群12mm vs. コントロール群10[8―10]mm,p = 0.005)および%対弁輪径(140[118―145]% vs. 114[99―125]%,p = 0.048)はTMP PED群が有意に大きかった.シース径([5Fr 4名,6Fr 1名]vs.[5Fr 5名,6Fr 8名]),ガイドワイヤー外径(0.018” 5名 vs.[0.014” 1名,0.018” 12名]),奏効率(4/5[80%] vs. 10/13[77%]),PS-PG減少率(55[0―72]% vs. 46[0―80]%),および右室圧/体血圧比低下率(41[0―59]% vs. 50[10―68]%)は両群間に差はなかった.シースサイズアップはTMP PED群ではいずれも不要であったが,コントロール群は6例(46%)要した(p = 0.036).【考察】弁輪径10mm前後のvPSにおいて,12mm TMP PEDを用いることでシースのサイズアップが不要となり,より簡便にBVPを実施できる可能性が示唆された.