[P22-5] Fontan導管の再穿刺におけるRF中隔穿刺針の有用性
キーワード:Brockenbrough, RF中隔穿刺針, Fontan
【背景】近年EC-Fontan患者の不整脈治療を目的に導管穿刺を行う例が増加している。導管穿刺は時間と技術を要する手技で、導管は耐電性のためRF中隔穿刺針は無効であり、ブロッケンブロー(BB)針による機械的な穿通が必要であるが、導管壁は滑りやすく注意が必要である。また、再穿刺の報告は少なく、穿刺針の選択や穿刺方法は確立されていない。経導管的に肺静脈ステントを留置したFontan患者における、RF中隔穿刺針を用いた導管再穿刺の経験を報告しその注意点について考察する。
【症例】女児、AVSD、Hypo LV、5歳でEC-Fontan手術を行い、7歳より喀血を認め、11歳時に左肺静脈狭窄と診断した。BB針(BRK TM-1)を用いて初回導管穿刺を行い、long sheath(8F ShwartzTM)を心房へ挿入し、ステントExpressTMSD 6mmを留置した。その後治療後評価および追加拡張を目的に導管の再穿刺を行った。
再穿刺(12歳時):導管孔は既に閉鎖していたが、導管造影にて導管壁の"くぼみ"として確認できた。同部にNRGTM RF中隔穿刺針を位置し、2度の通電(10W、1秒)で心房内にAirが確認でき穿通に成功した。CoyoteTMNC 4mmで拡張後long sheath(8F MullinTM)を心房へ挿入した。再穿刺手技は心腔内エコー(ACUNAVTM)で確認しながら行った。
再穿刺(13歳時):導管孔はやはり閉鎖しており、同様にRF針を用いたが、導管孔の"くぼみ"の同定が難しく、計6回の通電で心房内Airが確認できた。しかし心房へ到達できずRF針先端からの確認造影で心房と導管の間隙に造影剤が漏出した。漏出した造影剤はその後停滞したため導管からの出血はないと判断したが、心タンポナーデの恐れがあり手技は中止した。
【考察】導管穿刺孔は組織増生などにより閉鎖すると考えられるが、再穿刺の際には前回穿刺部位を正確に同定できればRF針を用いて安全に穿刺できる。しかし繰り返す穿刺により、術後癒着している導管-心房間にスペースを生じている可能性があり注意が必要である。
【症例】女児、AVSD、Hypo LV、5歳でEC-Fontan手術を行い、7歳より喀血を認め、11歳時に左肺静脈狭窄と診断した。BB針(BRK TM-1)を用いて初回導管穿刺を行い、long sheath(8F ShwartzTM)を心房へ挿入し、ステントExpressTMSD 6mmを留置した。その後治療後評価および追加拡張を目的に導管の再穿刺を行った。
再穿刺(12歳時):導管孔は既に閉鎖していたが、導管造影にて導管壁の"くぼみ"として確認できた。同部にNRGTM RF中隔穿刺針を位置し、2度の通電(10W、1秒)で心房内にAirが確認でき穿通に成功した。CoyoteTMNC 4mmで拡張後long sheath(8F MullinTM)を心房へ挿入した。再穿刺手技は心腔内エコー(ACUNAVTM)で確認しながら行った。
再穿刺(13歳時):導管孔はやはり閉鎖しており、同様にRF針を用いたが、導管孔の"くぼみ"の同定が難しく、計6回の通電で心房内Airが確認できた。しかし心房へ到達できずRF針先端からの確認造影で心房と導管の間隙に造影剤が漏出した。漏出した造影剤はその後停滞したため導管からの出血はないと判断したが、心タンポナーデの恐れがあり手技は中止した。
【考察】導管穿刺孔は組織増生などにより閉鎖すると考えられるが、再穿刺の際には前回穿刺部位を正確に同定できればRF針を用いて安全に穿刺できる。しかし繰り返す穿刺により、術後癒着している導管-心房間にスペースを生じている可能性があり注意が必要である。