[P26-1] 当院でフォロー中の青年期に植込み型除細動器治療を行った6例の検討
Keywords:ICD, 青年期, 心事故予防
【背景】小児における植込み型除細動器(ICD)の植込み数は増加傾向にあるものの症例数は少なく、その後の経過に関する報告も少ない。【目的】青年期にICD植込みを行った症例について、植込み前後の状況を検討する。【方法】当院において18歳以下でICD植込みを行った6例について、患者背景やICD作動状況などについて診療録を用いて後方視的に検討した。【結果】植込み後のフォローアップ期間は4ヶ月~8年半(中央値6年3ヶ月)、植え込み時の年齢は11-17歳(中央値14歳)、男子3例、女子3例だった。適応は一次予防が1例、二次予防が5例だった。基礎疾患は肥大型心筋症(HCM)が4例、不整脈原性右室心筋症が1例、QT延長症候群が1例だった。デバイスについてはICDが5例、S-ICDが1例だった。フォロー中、3例に計8回の適切作動を認め、不適切作動はなかった。3例中2例が女子で、全例HCMの症例で、最終的に3剤の内服を行っていた。初回発作を含む計13回の不整脈イベントはほぼ全てが運動を契機としており、発生時年齢は11-22歳(中央値14歳)だった。ICD植込み後の不整脈イベント発生年齢は12-22歳(中央値16.5歳)、初回イベントまでは4ヶ月-3歳(中央値7ヶ月)だった。合併症として1例でリード不全とICD感染を起こし、S-ICDへの入れ替えを行った。全例β遮断薬を内服しており、心筋症5例のうち4例でACE阻害薬、3例でsotalol、1例でamiodaroneが併用されていた。【結語】リード不全、ICD感染の合併はあったが、不適切作動はなかった。ICDの作動を減らすためには厳密な運動制限が必要だと思われた。長期予後の解明にむけて更なる症例の蓄積が望まれる。