The 56th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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デジタルオーラル

電気生理学・不整脈

デジタルオーラル(II)26(P26)
電気生理学・不整脈1

指定討論者:芳本 潤(静岡県立こども病院 循環器科)

[P26-5] 小児期に失神発作や心室頻拍/心室細動を来した遺伝性不整脈

渡部 誠一1, 松村 雄1, 中村 蓉子1, 渡邉 友博2 (1.土浦協同病院 小児科, 2.東京医科歯科大学小児科)

Keywords:失神, 心室頻拍, 遺伝性不整脈

【目的】失神発作やVT/VFを来して、小児遺伝性不整脈と診断された小児例の臨床的特徴を明らかにする。【対象】自験例17例(男9、女8)、初回失神発作/VT/VF年齢0.5∽17.6歳(中央値8.6歳)、最終確認年齢9.0∽34.3歳(中央値19.0歳)、経過観察期間0.1∽31.2年(中央値10.5年)。【方法】遺伝子検査を全例施行(1例結果未)。診断契機、失神発作、VT/VFの誘因、けいれん、治療と予後を検討した。【結果】臨床型はLQT1=7例、LQT2=2例、LQT3=3例、CPVT=1例、Brugada=4例。遺伝子変異陽性=11例65%、KCNQ1=5例、KCNH2=2例、SCN5A=3例、RYR2=1例、変異無し5例、結果未1例。診断契機は失神発作8例47%、CPAOA 2例12%、ショック1例、学校心臓検診2例12%、CHD/SVTフォローECG2例、有熱時けいれん1例、家族スクリーニング1例。失神発作、VT/VFの誘因は運動(溺水を含む)11例(65%)、安静時3例(大きな音1例、夜間徐脈1例)、発熱3例(18%)。家族歴突然死2例12%。けいれん5例29%(脳波異常4例)、溺水2例12%。治療は薬物療法14例82%、ベータ遮断薬10例59%、メキシレチン3例18%(上記2剤はLQT、CPVTに対して)、キニジン3例18%(Brugadaに対して)。誘因除去として運動制限、大きな音を避ける、積極的解熱等をそれぞれの疾患に合わせて行った。非薬物治療はPMI/ICD3例。無治療3例。予後は死亡例無し、初診時CPAOAの1例が低酸素性脳症。【考察、結語】小児期に失神発作やVT/VFを来す遺伝性不整脈にはLQT、Brugada、CPVTがあり、運動、水泳、発熱、大きな音、徐脈等が誘因になる。誘因除去、薬物治療、非薬物療法で予後は比較的良好であった。