The 56th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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デジタルオーラル

電気生理学・不整脈

デジタルオーラル(II)28(P28)
電気生理学・不整脈3

指定討論者:豊原 啓子(東京女子医科大学 循環器小児 成人先天性心疾患科)

[P28-3] QT延長症候群2型に対する集学的治療

芳本 潤, 石垣 瑞彦, 佐藤 慶介, 金 成海, 満下 紀恵, 新居 正基, 田中 靖彦 (静岡県立こども病院 循環器科)

Keywords:QT延長症候群2型, 左交感神経節切除術, 薬物治療

【緒言】QT延長症候群2型(LQTS2)は薬物治療・非薬物治療の奏効率は他のQT延長症候群に比較して低い。管理における問題点の検討を行った。【方法】2009年11月から2020年1月までに外来・入院診療を行った遺伝子検査でQT延長症候群2型を確認された患者さんにつき診療録を用いた後方視的検討を行った。【結果】症例は3家系7名。男女比は3:4。Proband3名はいずれも失神を初発症状としていた。Cascade analysisを行った4名のうち1名に失神を認めている。治療内容はβ遮断薬が全員に投与されていたが、3名は内服を自己中断、1名はコンプライアンス不良で内服中断中に失神のエピソードを認めていた。β遮断薬はナドロール2名メトプロロール1名プロプラノロール1名であった。2名は失神のメキシレチンは2名に投与されていた。カリウム製剤は1名に投与されていた。β遮断薬の増量困難で失神を繰り返した女性例にはICD植え込み、内視鏡的左交感神経切除、経口ピルの併用を行い管理していたが、内服コンプライアンス不良のため失神を起こしている。遺伝子検査は2家系については他院で、1家系は当院で依頼し実施されている。1家系は遺伝子検査の結果についての詳細な説明が行われる前に当科紹介となっている。【考察】LQTS2の発症リスクは音刺激や妊娠出産が知られているが、リスク回避は困難なことが多い。内服でのコントロールが困難な場合、選択肢は限られており集学的治療が必要となる。遺伝子検査実施後の説明が行われていなかった家系があったことは、専門施設での管理の必要性を示唆する。