The 56th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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デジタルオーラル

集中治療・周術期管理

デジタルオーラル(II)35(P35)
集中治療・周術期管理4

指定討論者:猪飼 秋夫(静岡県立こども病院 心臓血管外科)

[P35-3] 小児集中治療室における成長発達を妨げない体動制限の工夫

大城 ほたる, 金城 茂樹, 国吉 真理子 (沖縄県立南部医療センター・こども医療センター 看護部 PICU)

Keywords:PICU, 成長発達, 体動制限

【はじめに】小児集中治療室では侵襲的な治療・看護ケアが必要であり、体動制限や鎮静剤の使用により床上安静が余儀なくされている。それに伴い筋力低下や発達の遅れや後退など様々な影響が見受けられる。【研究目的】集中治療室において看護師の成長発達に対する視点を調査し、集中治療室における小児の成長発達支援の方法を見出す。【研究方法】PICU看護師22名へ成長発達にケアに対する意識調査、家族7名へ患児の変化やの家族の思いを調査した。【結果】看護師への調査では、成長発達を意識した看護ケアを行えているかの問いに対しては、『行えている』と答えた看護師は全体の6%となり、過半数が『行えていない』という回答であった。理由として急性期では治療が優先されるとの答えが最も多く、次に発達段階にあわせたケアの方法がわからない・理論に基づいて出来ているかがわからないという回答が得られた。家族へのアンケート結果では、子どもが安心して過ごせる工夫をして欲しいという要望が多く聞かれた。子ども達が安楽に過ごせるようリハビリスタッフを交えてポジショニング・抑制についてのカンファレンスが増え、こどもの成長段階や治療経過に合った看護ケアを提供する事が出来た。【考察】PICUでこども達が体験する処置や治療による身体的精神的苦痛は最大のストレスとなる。急性期領域であることから、疾患や治療へ関心が向きがちであるが、小児に関わるすべての看護師は、こども達や家族の心身的・発達的ニーズに応えられる技術・知識をもって関わる必要がある。【結論】成長発達が著しいこども達に対し、行動制限がある中でも安全安楽に過ごせるよう看護ケアを工夫し提供する事で成長発達に及ぼす影響を最小限に留める事が出来る。