[P56-5] 大学病院併設型子ども医療センターにおける小児心疾患患者の成人期移行診療への取り組み
Keywords:成人先天性心疾患, 移行, 診療体制
【背景】成人先天性心疾患(ACHD)の診療体制の構築,小児心疾患患者の成人期移行(以下,移行)は多くの施設で模索の途上にある.当施設は大学病院併設型子ども医療センターであり,成人病棟との連携が容易である.
【目的】当施設の経験を通じ移行に伴う課題を検討する.
【対象と方法】診療体制の構築・変遷とともに,ACHD入院患者数,ACHDに対するカテーテル治療(CI)件数および心臓血管外科手術件数,ACHD合併妊娠・分娩数の推移を検討した.
【結果】2006年に子ども医療センターを開設し,CHD手術が可能な環境を整えた.2008年に機能的診療部門として成人先天性心疾患センターを開設し,ACHD専門外来を開き,小児循環器医,成人循環器医,心臓血管外科医等が毎週の定例カンファレンスで治療方針を検討する体制を構築した.外来では,「ワンストップ診療」で小児科,心臓血管外科と循環器内科の併診を可能にした.小児科外来看護師とともに,「しんぞう手帳」や疾患の理解・自律の目標達成表を活用して患者/家族への教育を行い,「心臓病の子どもを守る会」の講演でも教育に努めた.ACHDのCIでは小児循環器医と成人循環器医の協働体制を確立し,ASD/PDA閉鎖栓の導入を契機に講演会を開催して地域医療機関への啓発を行った.成人先天性心疾患センター開設後ACHD紹介患者が増加し,CI件数,手術件数は増加した.産科と連携しACHD合併妊娠の分娩も経験した.移行は概ね円滑であったが,染色体異常/重度の知的障害患者で困難を伴う例もあり,診療環境等に配慮を要した.
【考察と結論】移行では(1)安定したACHD診療体制の構築と,(2)ACHD外来への円滑な引き継ぎが課題となる.患者教育においては,日常診療のみならず患者/家族会との連携も重要である.各スタッフが協働して専門性を統合するには診療部署を流動的に運用する工夫が必要で,関連スタッフの定例カンファレンスや外来の併診により円滑な引き継ぎが可能になる.
【目的】当施設の経験を通じ移行に伴う課題を検討する.
【対象と方法】診療体制の構築・変遷とともに,ACHD入院患者数,ACHDに対するカテーテル治療(CI)件数および心臓血管外科手術件数,ACHD合併妊娠・分娩数の推移を検討した.
【結果】2006年に子ども医療センターを開設し,CHD手術が可能な環境を整えた.2008年に機能的診療部門として成人先天性心疾患センターを開設し,ACHD専門外来を開き,小児循環器医,成人循環器医,心臓血管外科医等が毎週の定例カンファレンスで治療方針を検討する体制を構築した.外来では,「ワンストップ診療」で小児科,心臓血管外科と循環器内科の併診を可能にした.小児科外来看護師とともに,「しんぞう手帳」や疾患の理解・自律の目標達成表を活用して患者/家族への教育を行い,「心臓病の子どもを守る会」の講演でも教育に努めた.ACHDのCIでは小児循環器医と成人循環器医の協働体制を確立し,ASD/PDA閉鎖栓の導入を契機に講演会を開催して地域医療機関への啓発を行った.成人先天性心疾患センター開設後ACHD紹介患者が増加し,CI件数,手術件数は増加した.産科と連携しACHD合併妊娠の分娩も経験した.移行は概ね円滑であったが,染色体異常/重度の知的障害患者で困難を伴う例もあり,診療環境等に配慮を要した.
【考察と結論】移行では(1)安定したACHD診療体制の構築と,(2)ACHD外来への円滑な引き継ぎが課題となる.患者教育においては,日常診療のみならず患者/家族会との連携も重要である.各スタッフが協働して専門性を統合するには診療部署を流動的に運用する工夫が必要で,関連スタッフの定例カンファレンスや外来の併診により円滑な引き継ぎが可能になる.