第56回日本小児循環器学会総会・学術集会

講演情報

デジタルオーラル

働き方改革:私たちはどのように働くべきか

デジタルオーラル(II)75(P75)
働き方改革:私たちはどのように働くべきか

指定討論者:新居 正基(静岡県立こども病院)

[P75-1] 医療ICT利活用は働き方改革を変えるか?

飯島 正紀1, 高尾 佳代子2, 古河 賢太郎1, 石川 悟1, 森 琢磨1, 安藤 達也1, 藤原 優子1, 井田 博幸1 (1.東京慈恵会医科大学 小児科学講座, 2.東京慈恵会医科大学 先端医療情報技術研究講座)

キーワード:ICT, 働き方改革, アプリ

【背景】2019年4月1日施行の働き方改革関連法では、時間外労働上限規制や年次有給休取得などに関する項目を内閣・厚生労働省が主体となり具体的に明文化した。同法案は病院勤務医にも適応され、時間外労働上限規制適応となる2024年4月までの5年の猶予期間が設定された。厚労省医政局の指針では、まず各医療機関において時間外労働時間の実態の的確な把握をする必要性が示され、猶予期間内に可及的速やかに労働時間短縮の方策を練ることが求められている。厚生労働省でのこうした法案の一方で、2017年から総務省などが主体となり医療分野へのICT(Information Communication Technology)利活用による業務効率化などの開発事業が広く進められている。【目的】他診療科と比して労働時間上限となりやすい小児科、特に小児循環器領域において有効な働き方改革をいかにして行うかを検討する。【方法】当院では2015年から業務用スマートフォン貸与を開始し、専用アプリなどを用いて業務効率の向上推進をしてきた。今回、関連法案施行に伴い更なるICT利活用による業務効率化が推進され、1.写真・ビデオ通話による連携2.医療画像管理システム(PACS)による連携3.院内設置カメラによる手術室リアルタイム動画配信による連携4.ビーコンによる勤怠管理5.デバイスを用いた看護業務効率促進6.電子カルテ記載の効率化7.PHR(Personal Health Record)推進などを進めている。当院の取り組みを中心に、我が国における医療ICTが働き方改革にどのように寄与していくか概説したい。