[P78-3] 先天性心疾患患者におけるBIA法を用いた体組成評価
キーワード:先天性心疾患, 栄養, BIA
【背景】サルコペニアは心疾患患者の死亡率を増加させることが知られているが、先天性心疾患患者にとっても、血管のポンプ機能を維持するタンパク質、成長発達へのエネルギーの確保は重要であり、さらに脂肪ではなく筋肉へと転化させるための理学療法も必要と考えられる。しかし、小児の栄養評価法は確立しておらず、先天性心疾患患者の栄養評価の報告はほとんどない。【対象と方法】先天性心疾患患者35例 (男14例 平均年齢13±4.0歳、女21例 平均年齢11±4.8歳)に対して、InBody S10 を使用したBIA(Bioelectrical impedance analysis)法を用いて体組成評価を行い、BMI, 体脂肪率(FM%), 骨格筋指数(SMI), ECW/TBW(Extracellular water/Total Body Water)を求めた。【結果】平均身長 男 146±20cm, 女 131±19cm、平均体重 男 42±16kg, 女 32±15kg、平均BMI 男19±3.8kg/m2, 女 18±4.8kg/m2であった。平均FM% 男22±9.1%, 女 22±8.7%、平均SMI 男 5.5±1.5kg/m2, 女 4.5±1.6kg/m2、平均ECW/TBW 男0.381±0.010, 女 0385±0.011であった。先天性心疾患患者は正常例と比較し、体脂肪率は保たれていたが、四肢骨格筋量は著明に低下していた。男 10/14例(71%), 女 10/21例(48%)でサルコペニアが疑われた。【考察】先天性心疾患患者は幼少期よりサルコペニアを発症している可能性がある。適度な運動と適切な栄養リハビリテーションにより筋肉量を保つことが必要であると考えられた。【結語】InBody S10を使用したBIA法による体組成測定により、先天性心疾患患者は正常例と比較し筋肉量の割合が低いことが示された。