[III-HAJSSH-1] 1)学校生活管理指導表の改訂について
新しく改訂した学校生活管理指導表(幼稚園用)
キーワード:学校生活管理指導表, 幼稚園, 運動
(目的)幼児期は運動機能が急速に発達する時期であり、基本的,かつ多様な動作は運動能力の発達、運動の楽しさ、創造性、社会性などを育てるためには欠かせないものである。本来、幼児期には運動や遊びを制限すべきものではない。しかし何らかの疾患を有し、運動により病態が悪化する可能性がある場合や参加が望ましくない場合には、病態に応じた制限が必要になる。この場合には運動量の少ない別の運動に参加することを勧め、幼児に対する差別感を軽減する必要がある。過去に大国らが幼児用(3歳以上)心臓病管理指導表を作成したがこの表は現状に合わないこともあり、以前から入学前の幼児のための新しい管理指導表が必要であるとの指摘があった。(方法と結果)日本学校保健会「学校心臓検診の実際」改訂委員会を中心に検討し、新しく作成した。作成にあたって児童生徒に使用されている学校生活管理指導表の形態を踏襲した。児童生徒の学校生活管理指導表は文部科学省学校指導要領に従って作成されている。しかし幼稚園児には文部科学省の作成した幼児期運動指針はあるものの細かく規定されたものはない。そこで概ね3歳以上の幼稚園児に実際に行われている運動や遊びなどを参考にし、また現場で指導している幼稚園教諭の意見などを参考に運動強度を類推しながら管理指導表を作成し、また日本小児循環器学会学校心臓検診委員会にも意見を求めた。(結論)幼児の年齢や参加態度、参加時間、個人の性格や日常での遊びの仕方で運動量は大きく変わるが、運動や遊びへの参加を考える際にこの指導表を参考にしていただきたい。この管理指導表は運動制限を目的とするものではなく、幼稚園で安全に、楽しく運動や遊びに参加するためのものである。なおこの表は幼稚園だけでなく、保育園や子ども園にも使用できるものである。