[III-HAJSSH-2] 1)学校生活管理指導表の改訂について
運動負荷の考え方・小中高の管理指導表
キーワード:動的運動, 静的運動, 学校生活管理指導表
【はじめに】学校生活管理指導は、運動による息苦しさを目安として軽い・中等度・強い運動の3つに区分し、主に酸素摂取量が関与する。等尺運動(レジスタンス運動)については、必要に応じて別記している。【目的】運動を動的成分(走行など体を動かす運動)と静的成分(等尺運動)に分類する方法がベセスダ会議により呈示されている。すべての運動は動的・静的の両方の成分を有し、それぞれどの程度の強度で関わるかは運動の種類・場面によって異なる。この区分を、学校生活管理指導の参考にすることを目的とした。【方法】新しい学校指導要綱に示された児童生徒の運動種目を2020年度学校生活管理指導表に配置、さらに動的・静的運動強度分類表に配分した。成人の運動競技での表を参考に小児循環器医師と体育教師によって作成した。動的運動強度は、最大酸素摂取量からの割合(%Max O2)、静的運動強度は、最大随意筋力 (maximum voluntary contraction : MVC )からの割合で示す。動的成分の区分はD1:軽度(<40%Max O2)、D2:中等度( 40~70%Max O2)、D3:高度(>70%Max O2)である。静的成分の区分は、S1:軽度(<20% MVC)、S2 :中等度(20~50% MVC)、S3:高度(>50% MVC)である。学校生活管理区分表と整合性がとれるように配置した。【結果】軽い運動のD1S1には運動の基本動作、最も強いD3S3は中学・高校でカヌー・スピードスケート・ボクシング・ボート等の部活動の一部であった。D1S3は最大筋力での運動・武道・器械体操・ウインドサーフィン等が相当した。【結語】学校生活管理指導表を基本として使用するが、動的・静的運動の強度を明確にすることは心疾患児の運動管理指導の参考となる。この運動負荷の考え方を取り入れて、疾患に合わせたよりきめ細かい指導を提案する。