[III-JCCJS-3] リモートマグネチックナビゲーションシステムが可能にするアクセス困難例に対するカテーテルアブレーション ー800例の経験からー
キーワード:カテーテルアブレーション, 先天性心疾患術後, リモートマグネティックナビゲーション
先天性心疾患術後の症例では、遠隔期に心房頻拍などの頻脈性不整脈が生じる例が少なからず、存在する。しかしながら、その頻拍に対するカテーテルアブレーションは容易ではなく、このような症例では、TCPC術後やマスタードやセニング術後のように心房へのカテーテルの挿入が困難な例、IatrogenicなIVC閉鎖を合併する例、IVCが欠損している例にしばしば遭遇する。 今回紹介するステレオタキシス社製リモートマグネティックシステムは患者の両脇に配置された0.1テスラの永久磁石をマウスを用いて動かすことで、磁場の方向をコントロールし、磁石のついたカテーテルを操作するシステムである。マニュアルアブレーションと異なり、磁石のついたカテーテルは磁場により、動くために、シャフトに硬さが不要である。このシステムで用いるカテーテルは、通常のカテーテルと違い、シャフトが柔らかいのが特徴である。このため、経大動脈アプローチで、逆行性に心室を経由し、心房に挿入することも可能である。 また、IVC欠損例において、鎖骨下静脈や内頸静脈から中隔穿刺を施行した症例についても、遠隔でカテーテル操作が可能で、術者は操作室から放射線被ばくなく、ストレスなく、両心房のマッピングが可能である。 本講演ではTCPC術後やセニング術後の心房頻拍やASD occluder挿入後の心房細動に対する経大動脈アプローチによるアブレーション、IVC欠損例に対して、右鎖骨下静脈から経中隔アプローチを用いてアブレーションを施行した症例を紹介する。 通常の用手的アブレーションでは難易度の極めて高い症例に対して、リモートマグネティックナビゲーションシステムを用いることで安全にアブレーションを施行することが可能である。