The 57th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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Presidential Session

会長要望セッション07 シンポジウム(III-YB07)
小児循環器領域におけるECMO治療

Sun. Jul 11, 2021 9:00 AM - 10:30 AM Track2 (Web開催会場)

座長:新川 武史(東京女子医科大学 心臓血管外科学)
座長:帆足 孝也(国立循環器病研究センター 小児心臓外科)

[III-YB07-5] Evaluation of rapid ECMO system deployment for pediatric cardiac patients

本村 誠1, 久保 達哉1, 和田 翔1, 青木 智史1, 森鼻 栄治2, 安田 和志3, 村山 弘臣4, 池山 貴也1 (1.あいち小児保健医療総合センター 集中治療科, 2.あいち小児保健医療総合センター 新生児科, 3.あいち小児保健医療総合センター 循環器科, 4.あいち小児保健医療総合センター 心臓血管外科)

Keywords:ECMO, 小児循環器領域, 迅速性と転帰

【背景】心臓外科術後の低心拍出症候群、病棟急変、心筋炎・心筋症など、小児循環器領域におけるECMOの用途は多岐にわたる。導入に際してCardiac ECMOと比較してECPRは予後が悪いとELSOで報告されており、2015年のclosed ICU導入に伴い、当院PICUではECMO導入を迅速に行うべく様々な準備を進めてきた。
【目的】当院における小児循環器領域でのECMO導入症例について、closed ICU前後でのECMO導入の迅速性と転帰について検討する。
【方法】迅速なECMO導入のためにa)ハイリスクチェックリストb)緊急召集連絡網c)ECMO導入キッド・カート・マニュアル作成d)ECMO導入シュミレーションe)導入デブリーフィング等を進めてきた。当院開設以来、ICUで小児循環器領域に対してECMOを導入した全症例についてclosed ICU導入で前期-移行期-後期に分け、前後期の2群間での導入決定-確立時間および病院生存退院率等を後方視的に検討した。
【結果】全68例中、前期28例(月齢6ヶ月、体重6.9kg、PIM3 3.8%、ECPR17例)、後期33例(月齢10ヶ月、体重9.0kg、PIM3 25.6%、ECPR12例)でPIM3は有意(p=.017)に上昇していた。また前後比較で導入決定-確立時間77分(19-280)と48分(20-101)(p=.006)と有意に短縮し、病院生存退院率は38.5%と66.7%(p=.011)と有意に上昇していた。
【考察・結語】ECMO導入を迅速に行うためには重症度の認知、適応判断、人員召集、導入準備、処置の全てのステップで速やかに行われる必要がある。当院では様々な準備を進め、導入に伴う時間を短縮することで病院生存退院率を改善した可能性があり、本学会で発表する。