[OR16-2] 先天性心疾患に合併した心房性不整脈に対する心房抗頻拍ペーシング(Reactive ATP)デバイスの有用性
キーワード:心房抗頻拍ペーシング, 心房頻拍, 先天性心疾患
【背景】先天性心疾患(CHD)に合併する心房性不整脈(AT/AF)に対して心房抗頻拍ペーシング機能(aATP)の有用性が報告されているが、報告数が未だ少なく,一定の設定条件もない。近年、CHD以外の対象に対するMINERVA trialで実施された統一aATP設定(reactive ATP:rATP)の有用性が証明されている。【目的】CHD患者のAT/AFに対するrATPの治療効果を評価すること。【方法】rATPデバイス植え込み後のCHD患者の作動状況、治療成功率、DCショック回数、有害事象について後方視的に検討した。【結果】対象はrATPデバイス植え込み113例のCHD(植え込み時年齢中央値36歳 、観察期間2年)。59例(52%)でATP作動を認めた。総治療成功率は54%(2994/5521)。rATPの内訳は、Rx1のRamp治療で最も高く(54%)、Rx2: Burst+(22%)、Rx3: Ramp(15%)と低下した。AT/AF頻拍周期別のrATP成功率は、最も頻度の多い周期200-249msで高く(50%)、周期350-399msの遅いATでは18%と低い傾向があった。術式別の治療率は二心室修復(60%)、Fontan(58%)に比し心房スイッチ(17%)で低かった。rATP作動例の37例(63%)にDCショック既往があったが、デバイス植え込み後のDCショック作動は7例(12%)に減少した。rATP関連の有害事象は認めていない。【結論】CHDのAT/AFにおいても一定の設定を用いたrATPは有効かつ、安全に使用可能である。