[OR4-2] レベルII胎児心エコー検査のオンライン多施設間全国登録について
キーワード:胎児心臓病学会, レベルII胎児心臓超音波検査, 多施設間研究
【目的】学会が主体となって行っているレベルII胎児心臓超音波検査の多施設間オンライン登録を解析、報告する。【対象と方法】2004年10月1日より2020年12月31日に登録されたレベル(II)胎児心臓超音波検査82105件。経年変化数、各県の登録数、疾患分類別の検査割合等を調べて解析した。【結果】経年的に登録は増加、2009年頃まで1500-2000件前後だったものが近年は10000件に登り(2020年は11939件)、疾患分類では先天性心疾患が31782件39%、正常が29254件36%、不整脈が4102件5%、心外異常8417件10%で経年的な傾向では先天性心疾患がやや減少していた。各県の登録数は、大都市圏の東京、大阪、神奈川、北海道、千葉、福岡、が上位で12856、9432、6680、4395、3912、3890件であった。先天性心疾患の内訳では、VSD5601件、SRV1998件、SLV 411件、DORV3305件、HLHS2565件、AVSD2723件、TOF3037件で、四腔断面の異常を示すものが多いのが特徴であった。しかし、dTGA1778件(8.1%)、Simple CoA1135件、IAA532件と診断が難しいとされるものでは少なく、TAPVCは先天性心疾患の414件(1.9%)であった。経年的にdTGA, CoAの件数は増加,TAPVCの横ばいは変わらない。不整脈についてはPAC1810件、完全房室ブロック525件等であった。【結語】胎児オンライン登録は認証医制度設立以降、著明に増加し年1万件以上となっている。レベルII胎児登録数を維持し、さらなら質的向上を目指すことが胎児心臓病診断の裾野を広げる必要がある。