[P13-4] 血管インピーダンス変化の平均駆出圧に与える影響:インピーダンスの簡便な求め方の検証
キーワード:心室仕事量, 平均駆出圧, 血管インピーダンス
【背景】心室仕事量(SW)を一回拍出量(SV)で除した平均駆出圧(MEP)をSVで除した動脈エラスタンス(Ea‘)は、一心拍時間(T)、血管抵抗(R)、Impedance Modulus(Zn)、係数Aを用いて、1/T(R +A×Zn)と表すことができ、血管床の包括的指標となる血管インピーダンスを直接表現する斬新な指標であることを我々は報告してきた。MEPは随時圧流量の積、もしくは心室圧容積関係の面積である仕事量から算出されるが、圧データのみから精度よく推定できれば、血管インピーダンスを簡便に求めることが可能である。今回我々は、MEPは動脈圧の収縮期平均血圧(MSP)のみを用いて推定できるかを検証した。
【方法】小児心臓カテーテル検査時に得られた実測動脈圧波形(123/60/83mmHg、それぞれ収縮期、拡張期、平均血圧)と血流曲線(一回拍出量41ml、HR60)からR, コンプライアンス (C),特性抵抗 (Zo)、反射係数(Pb/Pf)を求め、血流を一定としてR,C,Zoをそれぞれ単独、および複合して変動させたときに、MEPの変化と血圧波形との相関を調べた。
【結果】初期状態のR,C,Zo,はそれぞれ24RU, 2.6ml/mmHg, 0.17 ml/mmHgで、それらを50%から200%の範囲で変化させ血圧が収縮期78~180mmHg、拡張期33~98mmHgの範囲内での実際に起こりうる変動を得た。実測のMEPは、平均血圧、収縮期血圧、MSPと非常によい相関を示し(それぞれR2=0.73、0.97、0.98)、特にMSPがほぼ同等の値を示した。また、Ea‘はR,C,Zo ,Pb/Pf それぞれと有意な相関を示し、収縮末期圧をSVで除した従来のEaより拍動抵抗においてより良い相関を示した。種々の小児心疾患患者無作為26名において、MEPとMSPはシミュレーション同様に非常に良い相関を示した(R2=0.90)
【結論】動脈圧波形のみから得られるMSPをSVで除した値は血管床の包括的指標であるインピーダンスを表す簡便な指標となり、今後臨床応用が期待される。
【方法】小児心臓カテーテル検査時に得られた実測動脈圧波形(123/60/83mmHg、それぞれ収縮期、拡張期、平均血圧)と血流曲線(一回拍出量41ml、HR60)からR, コンプライアンス (C),特性抵抗 (Zo)、反射係数(Pb/Pf)を求め、血流を一定としてR,C,Zoをそれぞれ単独、および複合して変動させたときに、MEPの変化と血圧波形との相関を調べた。
【結果】初期状態のR,C,Zo,はそれぞれ24RU, 2.6ml/mmHg, 0.17 ml/mmHgで、それらを50%から200%の範囲で変化させ血圧が収縮期78~180mmHg、拡張期33~98mmHgの範囲内での実際に起こりうる変動を得た。実測のMEPは、平均血圧、収縮期血圧、MSPと非常によい相関を示し(それぞれR2=0.73、0.97、0.98)、特にMSPがほぼ同等の値を示した。また、Ea‘はR,C,Zo ,Pb/Pf それぞれと有意な相関を示し、収縮末期圧をSVで除した従来のEaより拍動抵抗においてより良い相関を示した。種々の小児心疾患患者無作為26名において、MEPとMSPはシミュレーション同様に非常に良い相関を示した(R2=0.90)
【結論】動脈圧波形のみから得られるMSPをSVで除した値は血管床の包括的指標であるインピーダンスを表す簡便な指標となり、今後臨床応用が期待される。