[P3-2] リピオドールリンパ管造影が有効であった乳糜心膜症の1例
Keywords:先天性乳糜, リンパ管造影, 心嚢液貯留
【症例】6歳女児
【現病歴】在胎29週より胎児エコーにて両側胸水貯留, 胎児水腫を認め,胎児胸腔羊水腔シャントを置かれていた.在胎32週4日, 1896gで帝王切開にて出生した.出生後より人工呼吸器管理、両側胸腔ドレーン留置、オクトレオチド、ステロイド投与し胸水減少したため、日齢85に退院した。以後胸水再燃なく成長発達問題なく、通院終了していた。6歳時に1ヶ月前から続く胸痛を主訴に前医受診し、胸痛精査の心エコー検査で20mmの全周性の心嚢液貯留を指摘され、当科紹介。外傷の既往はなく、画像検査・血液検査で腫瘍性、膠原病性、細菌性、結核性などの検索を行ったが、いずれも否定的であった。脂肪制限食、利尿剤にも反応が乏しく、診断治療目的に心嚢穿刺を施行した。心嚢穿刺により混濁した黄白色の心嚢液150mlを採取し、心嚢液検査でもトリグリセリド345mg/dl、コレステロール91mg/dlであったことから乳糜心膜症と診断した。培養や細胞診は陰性であった。リンパ管シンチグラフィーから胸管から心嚢腔にリンパ液が流入しており、サンドスタチンにも反応乏しかったため治療も兼ねてリピオドールによるリンパ管造影を行い、以後心嚢液は心エコー上10mm以下で推移し、脂肪制限食を中止、利尿剤減量するも増悪なく経過した。
【結語】先天性と思われる乳糜心膜症に対して、リンパ管造影を行い治療効果が得られた一例を経験した。
【現病歴】在胎29週より胎児エコーにて両側胸水貯留, 胎児水腫を認め,胎児胸腔羊水腔シャントを置かれていた.在胎32週4日, 1896gで帝王切開にて出生した.出生後より人工呼吸器管理、両側胸腔ドレーン留置、オクトレオチド、ステロイド投与し胸水減少したため、日齢85に退院した。以後胸水再燃なく成長発達問題なく、通院終了していた。6歳時に1ヶ月前から続く胸痛を主訴に前医受診し、胸痛精査の心エコー検査で20mmの全周性の心嚢液貯留を指摘され、当科紹介。外傷の既往はなく、画像検査・血液検査で腫瘍性、膠原病性、細菌性、結核性などの検索を行ったが、いずれも否定的であった。脂肪制限食、利尿剤にも反応が乏しく、診断治療目的に心嚢穿刺を施行した。心嚢穿刺により混濁した黄白色の心嚢液150mlを採取し、心嚢液検査でもトリグリセリド345mg/dl、コレステロール91mg/dlであったことから乳糜心膜症と診断した。培養や細胞診は陰性であった。リンパ管シンチグラフィーから胸管から心嚢腔にリンパ液が流入しており、サンドスタチンにも反応乏しかったため治療も兼ねてリピオドールによるリンパ管造影を行い、以後心嚢液は心エコー上10mm以下で推移し、脂肪制限食を中止、利尿剤減量するも増悪なく経過した。
【結語】先天性と思われる乳糜心膜症に対して、リンパ管造影を行い治療効果が得られた一例を経験した。