[P32-5] 新生児期・乳児期の心臓血管外科術後の頭蓋内出血の検討
キーワード:心臓血管外科術後, 術後頭蓋内出血, 新生児・乳児
【目的】新生児期・乳児期の心臓血管外科術後における頭蓋内出血の発生頻度および障害部位について,術後の頭部画像診断で検討する。【症例】2019年1月~2021年2月の間に新生児期・乳児期に心臓血管外科を施行した200例中,術後に頭部CT/MRI検査を施行、頭蓋内出血が確認された15例(男9例,女6例)。手術時日齢は5[3-31]日 ,手術時体重は3170[2686-3788]gで,疾患の内訳はTGA 4例,CoA complex 2例,Asplenia/SRV2例,TAPVC2例,その他5例であった.画像診断を行った時期は術後20.6±13.9日後であった.【方法】診療録より後方視的に頭部CT/MRI検査の結果と,背景因子,周術期経過,手術術式について検討した. 【結果】15例のうち術前にC T検査を施行した症例は6例、そのうち脳出血を認めたのは3例(硬膜下血腫3例)であった。術後新たに脳出血を生じたのは13例(硬膜下出血7例,硬膜下血腫例+脳室内出血3例,両側視床出血1例,硬膜下血腫+小脳出血1例,皮質下出血+脳室内出血1例)であった.脳出血診断時に臨床症状(麻痺,痙攣)を認めたのは皮質下出血+脳室内出血の1例で死亡症例となった.硬膜下血腫例+脳室内出血1例と両側視床出血1例は神経症状は認めなかったが画像上水頭症を呈しており、脳神経外科介入症例となった.【考察】新生児期・乳児期の心臓血管外科術後では無症状な例でも画像上で頭蓋内合併症を認めることがあり,遠隔期での神経発達異常を生じる可能性があるため,特に周術期の状態の悪い例では神経学的評価が重要である.