第57回日本小児循環器学会総会・学術集会

講演情報

デジタルオーラル

多領域

デジタルオーラルII(P56)
多領域 2

指定討論者:兵頭 昇(国立循環器病研修センター 看護部)
指定討論者:井上 麻瑞(国立循環器病研修センター 看護部)

[P56-3] 循環器集中治療室(CCU)における終末期患者の家族のケアを行う看護師の認識調査終末期患者の家族に看護師としてできること

芹澤 啓子1, 栗田 直子2 (1.静岡県立こども病院 循環器集中治療室, 2.静岡県立こども病院 循環器集中治療室)

キーワード:終末期ケア, 家族, 循環器集中治療室

研究方法
CCU看護師が終末期患者の家族と関わる中で、どのような困難感ややりがいを抱くかを調査し、看護師が終末期患者の家族に対する支援方法を明らかにする。
研究方法
CCU病棟の経験年数5~30年(平均年数14.1年)、CCU経験年数2~12年(平均4.6年)の看護師に対して、終末期に関する認識についてアンケート調査を実施した。アンケートの内容から終末期のケアで難しい・困ったと感じたこと、やりがいを感じたことについてカテゴリー化した。本研究は院内の倫理委員会審査の承諾後に実施した。
結果
CCU病棟の看護師34名のアンケート結果より、終末期ケアに関する看護師の認識について、【家族と医療者、医療者間の認識が異なる】【家族とのやりとりの中で感じる葛藤】【難しい選択をした家族への関わりが難しい】という終末期ケアで難しい・困ったと感じた3つのカテゴリーと、【家族が満足するケアが行えたこと】【家族のニーズに寄り添いケアが実施できたこと】という終末期ケアでやりがいを感じた2つのカテゴリーを抽出した。
考察
CCU看護師は、治療を行う子どもと向き合いながらも、子どもが亡くなるかもしれないという意識で揺らぎ、家族への声かけに躊躇することで家族のニーズを捉えられていない可能性があった。このことから、医師と治療方針の共有を行うこと、看護師の葛藤や戸惑いを少なくし、家族との関係性を築くこと、家族のニーズに添った支援をすることが大切であることが示唆された。
結論
看護師は、終末期に限らず集中治療室に入室した時から家族との関係性を築き、家族のニーズを把握し、家族のニーズに添ったコミュニケーションを行う必要がある。また、医療者間においても治療や看護の方向性を共有する機会を増やし、子どもと家族のためのチーム医療を進めていく必要がある。