[I-P3-6-06] 肺血流減少性チアノーゼ心疾患に対するBTシャント術変法の成績
キーワード:BTシャント術変法, 姑息的手術, チアノーゼ
【背景】肺血流減少性チアノーゼ心疾患に対するBTシャント術変法(MBTS)はハイリスク手術とされ,これに変わる治療戦略が模索されている.【目的】当院におけるMBTSの成績を調査し,同術式の意義について検討した.【方法】対象は2007-2021年に主術式がMBTS(肺動脈形成,ASD作成/閉鎖含む)の46例.単心室(SV)群,2心室(BV)群別に後方視的に調査した.【結果】【SV群23例】観察期間69ヶ月(0-171).診断:相同心10例,PAIVS6例,他7例,PA/PS:21/2例,日齢39.5日(19-267),体重3.6kg(2.2-8.3).シャント径:3/3.5/4/5mm:5/14/3/1例.人工心肺18例.同時手術:中心肺動脈形成15例,ASD拡大3例,2期的閉胸10例,急性期死亡2例(8.6%),急性期合併症:グラフト閉塞1例,ステージ間死亡2例,ステージ間合併症1例(CPA蘇生後脳症).BDG/TCPS到達は19/23例(82%).TCPC到達は17/23例(73%)で非到達1例は待機中.1例は蘇生後脳症5歳で遠隔死亡.遠隔期肺動脈再介入はBDG時5例に要したがそれ以降は無かった.遠隔期フォンタン関連合併症は無かった.【BV群23例】観察期間72ヶ月(0-172).診断:TOF/PAVSD18例,DORV/PS3例,他2例.PA/PS:9/14例.日齢41日(1-583),体重3.3kg(2.2-10.0).シャント径: 3/3.5/4/5mm:1/18/3/1例.人工心肺10例.同時手術:中心肺動脈形成6例.ASD閉鎖2例,2期的閉胸8例,急性期死亡1例(4.3%),急性期合併症:グラフト閉塞3例,縦隔洞炎1例.ステージ間死亡1例,心内修復術到達は21/23例(91%)。遠隔死亡は1例(TGA,PS術後LOS).遠隔期肺動脈再介入は2例に認めた.【考察】急性期死亡4.3-8.6%とハイリスク手術ではあるが2010年以降,急性期死亡は無かった.第2期手術到達以降は生存、肺動脈再介入に関して予後良好であった。【結語】MBTSは現在においても有用な姑息的手術と考えられた。周術期管理,ステージ間管理の成績向上が重要と思われた.