[II-OR16-01] Harmony TPVの適合・留置症例の患者背景と右室流出路形態
Keywords:右室流出路再建術, ファロー四徴症, 経カテーテル的肺動脈弁留置術
【背景】2023年から経カテーテル的肺動脈弁留置術の一つであるHarmony TPVの使用が開始されている。適応はパッチ修復術後・経皮的肺動脈弁拡大術後の肺動脈弁閉鎖不全だが、適合症例の患者背景・右室流出路 (RVOT)形態については不明である。【目的】Harmony適合と判定または留置症例 (F群)の患者背景・形態を明らかにする。【方法】スクリーニングを受けた30症例の内F群25症例 と不適合5症例 (U群)の年齢・診断・術式・手術からスクリーニングまでの年数・MRI指標 (RVEDVI, RVEF, PRF)・CTにおけるSchievanoらのRVOT形態分類・TTEから推定したmean RVOT gradientをMann-WhitneyのU検定で比較する (P<0.05で有意差あり)。適合基準はlanding zoneが3mm以上・解除不能な狭窄がないこととした。【結果】年齢・手術からスクリーニングまでの年数・RVEDVI・RVEF・PRF・mean RVOT gradientの中央値 (四分位数)はF群とU群でそれぞれ27.5 (22-41.5) vs 44 (25-55.5)、25 (20-38) vs 27 (22-44.5)、161.2 (145.9-170.4) vs 181.4 (115.8-216.8)、47 (41-53.3) vs 44 (33-47)、45 (40-61) vs 48.5 (41.3-54.3)、5 (3-8.5) vs 4 (2-20)であった。診断はそれぞれTOFが76% vs 60%、術式は一弁付きパッチ修復術が84% vs 60%で上記全て有意差はなかった。形態は適合性が高いtype2がそれぞれ68% vs 20%で有意差を認めた。【結語】適合症例は若年かつ右室拡大が軽度の傾向があり、瘤状拡大のない直線的な形状である。40台以降のスクリーニングはHarmonyによる治療介入の時期を逸する可能性がある。