第59回日本小児循環器学会総会・学術集会

講演情報

一般口演

ASD

一般口演(II-OR17)
ASD

2023年7月7日(金) 14:50 〜 15:50 第6会場 (G301)

座長:矢崎 諭(榊原記念病院小児循環器科・成人先天性心疾患センター), 座長:西川 浩(JCHO中京病院小児循環器科)

[II-OR17-03] 当院における心房中隔欠損症の治療選択

山岡 大志郎, 加藤 真理子, 石井 瑶子, 長岡 孝太, 清水 武, 大山 伸雄, 喜瀬 広亮, 藤井 隆成, 富田 英 (昭和大学病院 小児循環器・成人先天性心疾患センター)

キーワード:ASD, カテーテル治療, GORE Cardioform ASD occluder

背景:ASDのカテーテル治療は、近年デバイス及び技術の進歩により、適応が拡大している.今回当院でのASDの治療選択に関して検討をおこなった.方法:2018年1月から2022年12月までに当院でASDの治療を行った131名を対象に、診療録を用いて後方視的に検討を行った。結果:当院で治療した131名のうちカテーテル治療が114名(87.0%)、外科手術が18名(13.0%)であった.カテーテル治療の留置成功例は113例(99.1%)で、不成功の1例は留置中に左房ディスクの血栓を認め中止した.また留置成功例のうち1名はⅡ度房室ブロックのため翌日にデバイス回収を行った.デバイス別で分けると、Amplatzer Septal Occluder (ASO)が44例、Figulla Flex II (FF II)が44例、GORE Cardioform ASD occluder (GCA)23例、その他3例であった(1例はASO+FFⅡ)。Multiple ASDの閉鎖は18例で、複数デバイスを留置したのが4例、GCAを用いたのは4例であった.デバイス毎の留置成功率には有意差を認めなかった.当院でGCAを導入した2019年9月前後で分けると前97例中カテーテル治療83例(85.6%)、後34例中、カテーテル治療が31例(91.2%)、うちGCAを用いた閉鎖が23例(74.2%)であり、後でカテーテル治療の割合が増加傾向であるものの有意差は認めなかった。手術適応は、ASDの形態(large ASD,リム欠損)が12例、合併症3例(部分肺静脈還流異常2、僧帽弁逆流1)、デバイス回収後、エロージョンに対する外科治療、患者の希望が各1例であった。治療までの経過で分けると、当院で診断した28例ではカテーテル治療21例(75%)、紹介された103例ではカテーテル治療92例(89%)、紹介例ではカテーテル治療の割合が多い傾向にあった(p=0.05).結論:カテーテル治療の成功率は高く、デバイス毎の差は明らかではなかった.GCA導入後、カテーテル治療の割合が増加傾向ではあるものの有意差は認めていない.紹介症例ではカテーテル治療の割合が多く、一次スクリーニングの効果と考えられた.