[II-OR21-05] Devega法による三尖弁形成術は左心低形成症候群の右室及び三尖弁形態を改善するか
キーワード:左心低形成症候群, 外科治療, 三尖弁形成術
【背景】左心低形成症候群におけるTRは予後に関わる重要な問題である。当院でのDevega法による三尖弁形成術の右室及び三尖弁形態への影響そして術後成績を後方視的に検討した。【方法】2015年1月から2022年12月の期間に、左心低形成症候群でのDevega法主体の三尖弁形成術を7例に施行した。体重は6.2±1.7kg、年齢は7.7±5.1か月、診断はMAAA 4例、MSAS 1例、MSAS 1例、Variant 1例。形成術のタイミングはStage1: 2例、Interstage1-2: 2例、Stage2: 3例。Devega法では、Stage1後は正常三尖弁輪径、Stage2後は80%三尖弁輪径まで縫縮した。Apical 4 chamber viewによる心エコーで術前、術後1か月、6か月に右室、三尖弁形態や接合の計測を行った。【結果】Follow-up41±31か月の間に、4例に再三尖弁形成術を要したが、RSV感染による1例以外、6例(86%)生存。2例はFontan、3例はGlenn終了している。RVEDAは形成術前、術後1か月、6か月それぞれ3980±646、3665±797、3583±741mm2/m2(p<0.05)に低下、三尖弁輪径は74±15、51±6、47±7mm/m2(p<0.05)に減少、三尖弁Tenting areaは159±83、87±66、94±66mm2/m2(p<0.05)と低下、RV sphericity indexは0.84±0.16、0.74±0.19、0.73±0.21(p<0.05)へ低下、TR gradeは3.3±0.5、2.1±0.7、2.6±0.9 (p<0.05)と改善していた。RV fractional area changeは術前、術後1か月、6か月それぞれ0.30±0.09、0.34±0.08、0.32±0.06と差を認めなかった。【結論】長期フォローが必要であるが、Devega法による三尖弁形成術は、心機能を維持しつつ術後の右室及び三尖弁形態を改善した。