[II-P07-3-03] 心室中隔欠損閉鎖と左室肺動脈心外導管修復を施行した修正大血管転位の臨床経過に関する検討
キーワード:ccTGA, 修正大血管転位, conventional Rastelli
【背景】修正大血管転位(ccTGA)の外科的治療の選択肢として心室中隔欠損閉鎖と左室肺動脈心外導管修復によるConventional Rastelli(CR)術が行われるが術後の遠隔期として体心室右室の機能不全、三尖弁閉鎖不全、不整脈等の問題が指摘されている。【対象と方法】当院観察中のCR術を施行したccTGA21例(SLL:IDD=16:5, 男:女=7:14, 年齢 6-52歳)について診療録から後方視的に検討した。【結果】診断時期は胎児2例、生後の心雑音、チアノーゼ13例、乳幼児期以降6例であった。全例VSDとPS/PA(10/11)を合併していた。全例でshunt手術が先行されておりCR術の施行年齢は1-18歳であった。人口導管の再手術は9例に施行されていた。術中後の完全房室ブロックを7例(33%)に認めCRTを含めたPM植込みを、遠隔期にVFを生じ2例にICD植込みがされていた。また3例で感染性心内膜炎を発症した。三尖弁閉鎖不全(TR)の増悪によるTVR適応となったのは4例(19%)で22-61歳時に施行されていた。体心室右室の収縮低下を5例で20歳以降に認めた。肺心室左室の収縮低下を認めた症例は1例であったがMRに対し3例が外科治療をうけていた。抗心不全薬は14例に投与されていた。【考察】CR術では高率にCAVBを合併し、体心室右室の機能低下を成人期以降に呈する症例が多い。左室圧とそれに伴う三尖弁機能を考慮した再Rastelli術のタイミングを含めた総合的な管理が必要である。